井口資仁が2023年のパ・リーグを○×予想 ロッテベンチから見た山本・近藤ら侍メンバーの凄さとは?
楽天:田中将大が復活! 2ケタ勝利を挙げる
田中将大は、打線の援護があれば十分10勝以上は可能だと井口氏は話す 【写真は共同】
――NPB復帰3年目となる田中将大投手。昨年は9勝12敗に終わりましたが、今年は復活の二けた勝利となるでしょうか。
田中投手が投げる試合は援護点が少ない印象があります。7回を3失点前後にまとめる能力には長けているので、打線とのかみ合わせがはまれば、達成できるでしょう。
――実際、首脳陣は投手の勝ち星をどこまで重視しているものですか。
大事なのは、貯金ですね。白星が黒星を上回れるか。仮に10勝しても12敗していたら、マイナス2になってしまいます。
――MLBから戻ってきての田中投手のピッチングスタイルはどう見ていますか。
MLBを経験した先発投手は球数を減らすために、ストライクゾーンの中でボールを動かすスタイルになりやすい。田中投手と戦うときは、このスタイルを利用して、エンドランを積極的に仕掛けることを考えていました。ストライクが多いので、ベンチとしてはサインを出しやすい投手のひとりでした。
ロッテ:佐々木朗希が2年連続完全試合を達成する
――佐々木朗希投手の育成法についてはもう何度も聞かれてきたと思います。2年連続完全試合の偉業達成はあるでしょうか。
ノーヒットノーランであればあり得ると思いますが、さすがに完全試合はないと思います。仮にあるとしたら、昨年のように春先の試合ですね。彼のコンディションが万全であり、打者がまだバットを振れていない時期であれば、もしかしたら……。
――昨年は完全試合を達成した次の登板でも、8回まで完全試合。そのタイミングで投手交代を決断したわけですが、いろんな声が耳に入ってきたのではないでしょうか。
正直、完全試合をやったあとには体にかなりのダメージがありました。先発のときには、5回頃から「どうだ? いけるか?」という話を、彼と投手コーチで話し合うようにしていて、あの試合は7回を終えたときに「あと1イニングが限度です」と、本人からの申し出もありました。
――そういう事情があったのですね。
昨年は1試合100球、年間130イニングの制限を設けていました。それでも、登板を重ねるごとにヒジに張りが出たり、マメができたり、リカバリーが遅くなっていました。今年はどこまでローテを守ることができるか。投手のコンディションを最大限に考える吉井理人監督になると、私よりも早く、代える可能性もあると思います。
日本ハム:清宮幸太郎が30本塁打以上を打つ
――昨年、自己最多の18本塁打をマークした清宮選手。30本超えとなるでしょうか。
打つと思います。春季キャンプを見ましたが、ひとりだけずば抜けた打球を打っていました。昨年の後半から、何か掴んだものがあるのではないでしょうか。今までは体を前に出されたり、後ろに残し過ぎたり、バランスが崩れることがありましたが、どの球でも自分のスイングができる確率が上がってきています。抽象的な表現ですが、「スイングの軸がしっかりとできた」と言えばいいでしょうか。エスコンフィールドが誕生し、球場が少し狭くなることも、有利に働くはずです。フェアゾーンの90度をいっぱいに使って、長打を打てるようになると思います。
――お話を聞くだけで楽しみですね。
あとは、新庄監督の機嫌を損ねないことですね(笑)。守備や走塁でボーンヘッドをおかすと、出してもらえなくなることもあるので……。年間通してフル出場ができれば、30本の可能性が高まります。春季キャンプのときのスイングを保てれば、本塁打王争いもあり得ると思っています。
企画構成:株式会社スリーライト