HLモデルが追加!PING「G430 シリーズ」ドライバー5本を打ち比べてみた

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2022年に発売されたPING「G430 シリーズ」にHLモデルが追加。そこで今回は、ティーチングプロの石井良介さんにPING「G430 シリーズ」ドライバー5本を打ち比べていただきました。

G430シリーズは5モデルに!

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G430シリーズは「G430 HL MAX」「G430 HL SFT」の2モデルが追加販売され、合計5モデルになりました。

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G430 MAX・G430 LST・G430 SFT・G430 HL MAX・G430 HL SFTの5種類をそれぞれ打ち比べながら解説していきたいと思います。

Gシリーズの歴史

PINGは、この10年くらい「やさしいドライバー」を市場に出し続けています。

最初にヒットしてすごく売れたのは「G10」というモデル。G10の前にはG5やG2があり、G10・G15・G20・G30と続いてきたのですが、やはり市場にPINGのドライバーが認知されたきっかけがG10だったのかなと思います。その後、「G400」というモデルが出たことで、PINGのドライバー=「やさしい」という評価が定着したと感じています。

PINGは大きいヘッドで重心深度・重心距離が長く、大きくて球が上がりやすくて曲がらない、だからやさしいドライバーということで作り続けているのですが、「G400」「G410」はちょっとヘッドを小ぶりにして「振りやすさ」を追求していました。それが日本の市場を含め世界で大ヒットして、「やさしいドライバー」=「PING」の評価になったと思います。

そして、「G425」になってまた改めてヘッドが大きくて重心深度・重心距離が長いモデルになり、その最新作が今回の「G430」になります。

G430 MAX試打(10.5° ALTA JCB BLACK S)

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ヘッドスピード:42~43m/sで試打①
まっすぐですね。

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ヘッドスピード:42~43m/sで試打②
前作「G425」は打音が少しかん高く、振っていて少し後ろが重たくスイング中に落ちるような動きを感じるところがあり、自分は「G425」はうまく使えないと思っていました。ただ、今作のG430 MAXに関しては振りやすいと感じています。

PINGのそれまでのコンセプト「やさしいドライバーを作る」「球が上がりやすい」「ミスヒットしても強い」という要素はそのままに、スピンが多かったりとか、初速がちょっと遅かったりとか、音が気になったりといった点を本当にクリアしてきて、かつ、後ろのウェイトが「G425」よりも重いにもかかわらず、振りやすくなっています。

飛ぶだけのモデルとか、なにかの性能が偏ったモデルであれば「G430」よりも優れたものがあるかもしれませんが、トータルで考えると、アマチュアゴルファーがゴルフ場で自信を持って打てる曲がらないドライバーだと思います。

G430 LST試打(10.5° ALTA JCB BLACK S)

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G430 LSTモデルは実際に今使っています。「G430 MAXがいいよ」とみんなに勧めていたのですが、2023年になってから僕自身は「G430 LST 」10.5°のモデルを使っています。

LSTは「ロースピンテクノロジー」の略。スピンを少なくするという技術で作られているドライバーです。

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上から構えたときにG430 MAXと比べてヘッドサイズは小さめになっていて、小ぶりにみえます。

打つとMAXと比べてスピンが少なく、低い球が打て、ネックを中心にヘッドの開閉がしやすく動かしやすいところが特徴だと思います。

G430 MAXはG430 LSTより少し扱いづらいと感じるかもしれません。

車のハンドルに例えると、くるくるハンドルが回るタイプの車がG430 LSTとするなら、ハンドルが重たくてあまりくるくるいかないタイプがG430 MAX。どちらの方がゴルファーにとっていいかというのは好みもあると思いますが、ある程度操作をしたいならG430 LSTの方がやりやすいのではないかと思います。

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ヘッドスピード:42~43m/sで試打①
MAXと比べてスピン量が抑えられて、少しライナーのような弾道になりました。

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ヘッドスピード:42~43m/sで試打②
僕は割と球をつかまえたり、逃がしたり、ヘッドを操作してゴルフをしたいタイプです。そのため、LSTの方がMAXより扱いやすく感じています。他メーカーのプロ用モデルと比べるととても寛容性の高いモデルなので、やさしさも感じながらある程度動かせる、ちょうどいいバランスのクラブになっていると思います。G430シリーズの中でいうと、難しいモデルと感じるかもしれませんが、実は打ってみると打ちやすいモデルです。

ただ、ロフト選びだけは注意。できるだけ多めのものを選ぶと良いと思います。ロフトも買った後でもカチャカチャ部分で1〜1.5°増減できます。フラットにすることでつかまりを抑えるとか、ウェイトでいろんな微調整もしやすいところがおすすめのポイントです。

G430 SFT試打(10.5° ALTA JCB BLACK S)

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SFTは「ストレート・フライト・テクノロジー」の略です。いわゆるドローバイアス、球をつかまえやすいモデルと理解してください。ただあくまでも「ストレート・フライト・テクノロジー」なのでメーカーはまっすぐ打つクラブだと言っています。簡単に言うと、右に行きやすい人がこのモデルを使うとちょっとつかまえてくれる、そんなモデルだと思ってください。

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ウェイトの移動がMAXとLSTは3つのポジションになっていますが、SFTは2つ。かつ、SFTはそのウェイトをDRAW+のポジションにすると、さらにつかまる性能が高くなる設計になっています。この辺もスライスの度合いに応じて、自分がどれくらいクラブに助けて欲しいかで調節してみるといいと思います。

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ヘッドスピード:42~43m/sで試打①
何もしないでも同じスイングをするとMAXとLSTと比べたらちゃんとフックになってくれます。スライスする人からすると、これでフェアウェイの真ん中に行く弾道を作りやすいと思います。

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ヘッドスピード:42~43m/sで試打②
ただつかまると言ってもG430ヘッドとしてのつかまりなので、とっても安定して同じところにつかまってくれるのもポイントかと思います。

いわゆるドローバイアスのつかまりのモデルを買ってみたら、左に行ってしょうがないというモデルも時々あります。ただ、G430シリーズは、ドローバイアスだけど決して曲がりすぎるところまでは味付けをしていない。こういった点もバランスのいいクラブとして評価されているところだと思います。

最新G430 HL の特徴

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2023年の新発売G430 HL MAXとG430 HL SFTを打ってみたいと思います。

LSTは「ロースピンテクノロジー」。SFTは「ストレート・フライト・テクノロジー」ですが、HL は「ハイ・ローンチ」、つまり高弾道の略になります。

「G425」「G410」「G400」は人気があり売れているクラブですが、今まで軽量バージョンはありませんでした。今作の「G430」では軽量バージョンが追加で発売されたことになります。

これは本当にありがたいと思っています。実際にレッスンをしているシニアの方や女性の方が、「PINGのドライバーがすごくいいから、私も使ってみたいけど、重いモデルしか無いのでなかなか使えない」という方もいらっしゃいました。そういう方が何も難しいことを考えずに、スッと素直に手に取ったときに、PINGのクラブの良さ、やさしさを感じることができるクラブに仕上がっています。

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1番の違いはHL専用の軽いウェイトを搭載していること。

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そして標準シャフトがFUJIKURA SPEEDER NXです。あくまでPINGの純正のNXシャフトですが、シャフトが後押ししてくれるような、加速させてくれるようなシャフトに仕上がっています。

このシャフトとウェイトが軽量化されたことによって、PINGのドライバーの球の曲がらなさ、打感の良さ、振り抜きの良さなど、G430の性能を変えずにより多くの人が使えるモデルになっていると思います。

G430 HL MAX試打(10.5° FUJIKURA SPEEDER NX)

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まずは、G430 MAXを打った時と同じ力で打ってみたいと思います。その後にこのG430 HL MAXの対象であるヘッドスピードに少し落として打ってみたいと思います。

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ヘッドスピード:42~43m/sで試打①
同じ力感で振って、軽いのでヘッドスピードが速くなっています。球が曲がらないG430の性能通りですが、スピン量も極端な変化もなく意外といい。軽いクラブはシャフトが頼りないのかと思いましたが振りやすいです。

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ヘッドスピード:42~43m/sで試打②
飛んでますね。実際ビックリしています。

ここからヘッドスピードを40m/s以下くらいに落として軽く打ってみます。

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ヘッドスピード:37~39m/sで試打①
球も上がってくれますが、結構ボールが前のめりというか、割と飛ぶ方に振っている感じがします。ヘッドスピードが遅かったりドライバーが飛ばないと悩んでいる人、今のドライバーを使いたいけど少し重いとか、こういう軽量モデルだとスピンが増えすぎて球は上がるが前に飛ばない悩みがある人などが、G430 HL MAXを使うと球は上がり、ランが稼げてキャリーも出る。飛距離を出すことができると思います。

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ヘッドスピード:37~39m/sで試打②
ちょっと低スピンな感じで打ち出し角はちゃんと確保できていますが、G430 MAXよりG430 HL MAXの方が少しつかまる感じがあります。実はこれは飛ぶにおいがするドライバーです。いわゆる軽量バージョンで球を上げやすくしているのではなくて、ヘッドスピードが無い人が球を前に飛ばすにはどうするのかという考えで作られている感じがします。

結構振れる人でも重たいクラブをうまく扱えない人は、この軽量ヘッドで今使っているG430用のシャフトを挿すとものすごいG430ができる可能性があるのではないでしょうか。その辺は工夫次第ではものすごく化ける可能性のあるヘッドかなと思います。裏技ですけど、試してみて欲しいと思います。

G430 HL SFT試打(10.5° FUJIKURA SPEEDER NX)

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G430 HL SFTを打ってみたいと思います。軽いヘッドで球がつかまるというのがG430 HL SFTとされているので、最初は通常のヘッドスピード42~43m/sで打ってみようと思います。

G430 SFTと同じようにヘッドの大きさとか、ちょっと左を向いている感じは変わらないです。それがシャフトとウェイトの変化でどういう風に変わるかを見ていただきたいと思います。

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ヘッドスピード:42~43m/sで試打①
ちょっとつかまっていい球です。しかも確実にドローで球がつかまっていると思います。

大きなヘッド=なにか振りにくい、振り遅れてフェースが違うところを向くなど、大きなヘッドの悩みは皆さんあると思いますが、G430シリーズは本当にそういうのがないです。すごく素直にヘッドが返ってきて後ろのウェイトは邪魔しない。当然G430 HL SFTは軽くなっているから全く後ろの重い感じはしないので、ヘッドスピードも上がるのではないかと思うくらい、とても振りやすいドライバーです。

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ヘッドスピード:42~43m/sで試打②
やはり確実にドロー回転が入るところが特徴的だと思います。クラブを振るスピードは速いけど球が左右に散ってしまう、特にスライスに悩んでいる人、ゴルフを始めたばかりで腕力で打ってしまうような人がG430 HL SFTを使うとちゃんとまっすぐの幅に入ってくれるので、ドライバーが好きになれると思います。

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ヘッドスピード:37~39m/sで試打①
G430 HL SFTを少しヘッドスピードを落として打ちました。速度を落としてもちゃんと球は上がってくれて、フック回転しています。G430 HL MAXと同じようにスピン量が結構減りしっかり前に行く球になっています。

低スピンだと打ち出し角度が確保できていないと飛ばないドライバーになるのですが、HLシリーズはG430のヘッド自体に球を上げてくれる力もあるので飛距離につながると思います。

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ヘッドスピード:37~39m/sで試打②
打ち出しがパカーンと上に行きます。そして少しドローしてくれます。これはドライバーが苦手な人や女性ゴルファーにとっては武器になると思います。

球が上がらないということがネックになっていて、でも軽いクラブは球が上にあがるが前に飛ばないという人も結構います。でも、このモデルは確実に前に行く力もあり上に持ち上げる力もある。なおかつ270gを切っている軽量なモデルなので、とても振りやすいと思います。

5モデルの特徴と選び方

先に発売されたG430 MAX・G430 LST・G430 SFTの3モデルとHLシリーズ2モデルの一番の違いは重さです。重さが違うことによって選ぶユーザーがガラッと変わってしまうと思います。

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G430 MAXが1番やさしく直進性があり芯を外した時の寛容性も高い。機敏に反応するタイプではないけどそれが逆にメリットとなって、ゴルファーが失敗したときにもクラブを真っ直ぐ動かしてくれる、打ったボールがちゃんとコースに収まってくれる、そんな性能を一番具現化しているのがG430 MAXかと思います。

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G430 MAXの性能をベースに、少し球を左に曲げたい。右に曲がるスライスボールを減らしたいならG430 SFT。

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対して安心感は欲しいがもう少し機敏に自分が思うようにクラブを操作したい、いろんな球を打ち分けたい人はG430 LSTという選び方がベースになります。

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G430の性能をそのままで軽量化したのがHLシリーズです。

ウェイトの部分が軽量になり、シャフトがHL専用に設計されていることで、PINGのドライバーが重くて使えない、振りづらいと思っていた人が、もしかしたら今までに無かったような世界を味わうことができるのではないかと思います。ぜひ一度試してみてください。

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※本記事はスポーツナビが独自で企画したものです。記事内の商品選定や評価はスポーツナビまたは出演者の方の判断にもとづいています。記事内で使用している商品画像はメーカーから画像・サンプルをお借りした上で使用、撮影しています。
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著者プロフィール

ゴルフメディアで活躍する識者たちが、人気のギアを徹底解説! ドライバーからアイアン、パターといったクラブ一式はもちろん、シューズやウェア、距離計など、ゴルファー必須のあらゆるギアをご紹介していきます。

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