【WBC優勝候補分析】V候補筆頭のドミニカ共和国 サイ・ヤング賞右腕擁する投手陣とスターが並ぶ豪華な打線
旬のスタープレーヤーがそろった豪華な打線
2021年の本塁打王ウラジミール・ゲレロJr.(ブルージェイズ)を筆頭とする強力な打線も、他国には脅威となる 【Photo by Kathryn Riley/Getty Images】
その若手スター軍団の脇を固めるのが、MLB通算283本塁打のマニー・マチャド(パドレス)や、同154本塁打のゲーリー・サンチェス(ツインズFA)といった面々。マチャドは前回大会にも出場しているが、そのときのドミニカ共和国は優勝候補の一角でありながら、2次ラウンドで敗退する悔しさを味わっている。前回大会では6試合で6個の失策を喫するなど、守備のミスが目立った。今大会も打力を重視したラインアップが予想されるだけに、守備面での細かなミスには注意を払いたい。
日本対戦時の要注意ポイントおよび攻略ポイント
そして、リリーフ陣は大会屈指の層の厚さを誇るが、全体的に与四球の多いタイプが並んでいる。そのため試合後半の攻撃では、際どいゾーンの見極めがより重要となる。連打はあまり望めないだけに、四球をきっかけにチャンスメークしていきたいところ。また、正捕手に予想されるサンチェスは、キャッチングの技術に難を抱えている。際どいゾーンにきたボールを審判にストライクと見せるフレーミングの指標は芳しくなく、捕逸などのバッテリーエラーも多い。代表クラスの選手が投ずるボールは捕球の難易度も高く、キャッチングのミスも起こりやすいはず。それも即席のバッテリーではなおのことだ。打席での際どいゾーンの見極めに加えて、塁上ではサンチェスのミスを突いてスタートを切る準備をしておきたい。
守備面でも、四死球がキーポイントとなる。ドミニカ共和国は前回大会の6試合で9本塁打を記録するなど、破壊力のある打線が特徴だ。今大会も打線の上位から下位まで本塁打を打てる打者が並ぶと見られ、相手を完封することはなかなか難しい。1、2本の被本塁打はやむを得ないが、最小失点にとどめたい。そのためにも、四死球で余計な出塁を与えないことが求められる。大量失点を回避するために勇気を持ってストライクゾーンへ投げ込んでいきたい。
第3回WBCで優勝を果たすなど、強豪国の一角を占めるドミニカ共和国。日本代表は15年のプレミア12と東京五輪でいずれも勝利を収めているものの、このときのドミニカ共和国はメジャーリーガーを中心とした編成ではなかった。意外にもWBCで両国の直接対決は過去1度もなく、今大会では決勝ラウンドから対戦する可能性がある。両国のトッププレーヤーによる、世界一の称号をかけた激突が今から待ち遠しい。