【WBC優勝候補分析】大舞台の成功と失敗から学んだ納得の陣容 栗山ジャパンの強みとは?
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2人のメジャーリーガーに勢いのある若手主体の投手陣
昨シーズンのダルビッシュ有はパドレスで16勝8敗の好成績を挙げている 【Getty Images】
先発:ダルビッシュ有、大谷翔平、山本由伸、佐々木朗希
第二先発:今永昇太、伊藤大海、戸郷翔征、高橋奎二、宮城大弥、高橋宏斗
リリーフ:松井裕樹、栗林良吏、大勢、湯浅京己、宇田川優希
登録選手30名中、投手は15名が選出された。昨季MLBで2ケタ勝利を記録しているダルビッシュ有、大谷翔平の2人が投手陣の中心。MLB球団所属投手の代表入りは3大会ぶりだ。栗山英樹監督の「高い投手力を生かして我慢強く戦う」方針のもと、豪華なメンバーがそろった。先発陣はダルビッシュと大谷に加え、2年連続で沢村賞を受賞している山本由伸、さらに完全試合を達成した佐々木朗希を含めた4名が先発の柱となるだろう。いずれも与四球が少なく、球数制限のルールの中でも長いイニングが期待できるタイプだ。
先発投手からリリーフ投手の間をつなぐ、第二先発の役割が予想されるのは6名。いずれも所属球団ではローテーション投手として活躍している面々だ。普段とは違った起用となるが、これまでの代表戦でリリーフの適性を見せた投手が数多く抜てきされており、不安は少ないだろう。東京五輪で好リリーフを見せた伊藤大海、昨オフの強化試合で好投した戸郷翔征や今永昇太などは、優先順位の高い選手たちだ。また現状では、大谷が投手として出場可能かどうかが不透明。代表経験も豊富な今永は、大谷に代わる先発投手での出番もあるかもしれない。
そして、リリーフを専門とする投手は5名が選出された。そのうち、松井裕樹、栗林良吏、大勢の3名は所属チームでクローザーを務めている。左腕の松井、オーバースローの栗林、右サイドハンドの大勢と3名はそれぞれタイプが異なっており、柔軟な運用が可能となっている。残る湯浅京己と宇田川優希は、ともに走者を背負った場面に強く、“イニングまたぎ”にも対応できる点が大きな強み。球数制限の関係で先発投手がイニング間の交代となったときや、無死二塁から始まる延長10回以降のタイブレークのときなど、イレギュラーな状況で真価を発揮するタイプだ。
落ちる変化球が選出のキーポイント
また、今大会はMLBにならってワンポイントでの登板が大会のルールとして禁止されている。そうした事情もあり、アンダースローなどの変則タイプが選出されなかったことも、特徴の1つだ。打たせて取るタイプの投手は少なく、奪三振能力の高い投手をそろえて守備の影響を減らす陣容となっている。