高校サッカー準決勝、東山vs.大津を展望 CBとFWの“ミスマッチ”対決に注目

安藤隆人
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準決勝で激突する東山と大津(写真は両軍キャプテンの新谷と小林) 【写真:森田直樹/アフロスポーツ】

 101回目を迎えた全国高校サッカー選手権大会もいよいよ準決勝。本稿では、タレントをそろえながらも統率の取れたサッカーをする東山と、攻守の切り替えの早いサッカーで勝ち上がってきた大津の一戦をプレビューしたい。

東山の強みは「センターライン」

 東山はインターハイ、選手権ともに8強に進出した21年度のレギュラーの多くが残り、チーム立ち上げの際に福重良一監督から「日本一を十分に狙えるチーム」と発破をかけられていた。「福重監督がそこまで言ってくれるなら、『本当にやれるんじゃないか』とだんだん本気になっていった」とセレッソ大阪内定のMF阪田澪哉が語ったように、日を追うごとにチームとしての連携や、コンセプトであるハードワークと切り替えの速さを具現化できるようになっていった。

 今年のチームの強みはGK佐藤瑞起、CBで精神的支柱の新谷陸斗、視野が広くて展開力抜群のボランチ・真田蓮司とセンターラインが強固であること。彼らが機転を利かせて、全体のバランスを整えながら、守備では奪いどころを明確にすることで、チームに安定感をもたらしている。

阪田をFW起用するメリット

今大会の東山において、大きなポイントとなるのが阪田(写真中央)の起用法。自慢のスピードをどのように活かすのか 【写真:森田直樹/アフロスポーツ】

 順当な勝ち上がりを見せている今大会で、大きなポイントになっているのが阪田の使い方だ。彼は本来、右サイドハーフとして自慢のスピードを発揮をしてきた。だが今大会はFWをやっていた北村圭司朗を右サイドハーフにして、阪田をFWに起用するオプションを使う試合が出てきた。
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著者プロフィール

1978年2月9日生まれ、岐阜県出身。5年半勤めていた銀行を辞め単身上京してフリーの道へ。高校、大学、Jリーグ、日本代表、海外サッカーと幅広く取材し、これまで取材で訪問した国は35を超える。2013年5月から2014年5月まで週刊少年ジャンプで『蹴ジャン!』を1年連載。2015年12月からNumberWebで『ユース教授のサッカージャーナル』を連載中。他多数媒体に寄稿し、全国の高校、大学で年10回近くの講演活動も行っている。本の著作・共同制作は12作、代表作は『走り続ける才能たち』(実業之日本社)、『15歳』、『そして歩き出す サッカーと白血病と僕の日常』、『ムサシと武蔵』、『ドーハの歓喜』(4作とも徳間書店)。東海学生サッカーリーグ2部の名城大学体育会蹴球部フットボールダイレクター

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