阪神識者が熱望する生え抜き選手の30発 投手陣では「持っているものがすごい」と評する若手左腕に期待
楽しみな若手投手たち、投手陣はより盤石に
新シーズンの「期待の若手」として花田さんが名前を挙げた及川雅貴 【写真:共同通信社】
花田 これも月並みになっちゃうんですけど、やっぱり佐藤輝明に30本打ってもらうことですね。見たいですよね、佐藤輝明の30本を。タイガースって生え抜きの日本人選手で30本以上ホームランを打ったバッターって、(1985年の)掛布雅之さん以降、出ていないんですよ(編集部注|岡田彰布新監督も同年に35本打っています)。
だから、僕は30年ファンをやっているのにタイガースの生え抜き選手が30本以上のホームランを打ったところを、一回も見たことがないんですよ。これまでも、新庄剛志であったり、桧山進次郎、濱中治といったあたりが期待をされてきたんですけども、いまは大山、佐藤輝明の二人がそこに挑戦できる資格を持っていると思うので、そのなかでも佐藤輝明、左バッターで甲子園30本というのを見たいですね。彼がそれだけ打てれば、チームとしても確実に結果もついてくるでしょうし。
菊地 新シーズン、若手のなかで出てきてほしい選手はいますか?
花田 個人的に期待している選手は及川(雅貴)ですね、2022年は怪我とかもあってちょっと働けませんでしたけど。若いピッチャーはたくさんいるんですけど、でも左ってあんまりいないんですよ。そのなかで、及川が一本立ちしてくれるようになれば、一気に投手陣の層も厚くなりますしね。
2023年に向けてどこをプラスアルファするかといったら、2022年に1試合しか投げることができなかった及川がそれなり投げてそれなりに勝ってくれたら、それがそのまま補強という形にもなるので、及川には期待したいですね。持っているものがすごいし。
菊地 及川選手もそうですし、阪神は若手に楽しみなピッチャーが多いですよね。西純矢投手が6勝していたり、才木浩人投手が復活したり、ドラフト1位の森木(大智)投手もこれから2年目を迎えますし。よくここまで育ちつつあるな、という陣容ですよね。
花田 しかもみんな高卒というところですよね。ちょっと前までは想像もできなかったですよね、高卒のピッチャーを育てられないってずっと言われていましたから。でもまだ「育ちつつある」なんですよね。これを「育て上げた」までいって欲しいですね。
菊地 すで中継ぎでは湯浅(京己)投手とか浜地(真澄)投手とか、活きがいいピッチャーが出てきていますから、この上昇気流に乗っていってくれたら投手王国が完成してもおかしくないですよね。
花田 2022年の段階でかなり投手王国だったので、これにさらに上積みできたら本当に優勝しちゃうぞって......まぁ今の時期は自由に言えますからね(笑)。
菊地 現役ドラフトでもソフトバンクから大竹耕太郎投手も獲りましたしね。
花田 それも楽しみですよね。ホークスからタイガースに来る選手は非常に活躍をしてくれるので、そこもちょっと期待したいですよね。
18年ぶりの優勝へ、開幕戦は青柳に託したい!
花田さんが開幕戦を託したいのは、もちろんエースの青柳晃洋 【写真:共同通信社】
花田 これはもう、リーグ優勝、日本一ですね。
菊地 もちろんそうですよね。そう言ってもらわないと困りますよね。
花田 最後の優勝が2005年なんですよね。そこからもう17年間優勝できていない。2003年のときも1985年から18年ぶりで、気がついたらそれと同じスパンが空いてしまったんです。
90年代を中心にした18年のブランクは皆さんご存知の、最下位にしかならないような本当に「暗黒時代」と言われていた時代で非常に苦しい18年間でした。それに比べると、この17年間というのは勝てそうで勝てない、Aクラスには行くけど優勝できないそんな17年間でした。
CSを勝ち上がって一度日本シリーズにも出ましたけども、気がついたら「あ!あの頃と同じだけのブランクがあるんだ!」という感じで僕も正直びっくりしているんですよね。
ファンの皆さんも僕も含めて、この17年間ってもっと優勝すると思っていたので、本当に気付いたらこんなに時間が経ってしまっていたんだ......という感じなので、そろそろ優勝してほしいですよね。
菊地 改めて17年も優勝していないことにびっくりというか、東京人から見ると(近畿圏の人たちは)優勝していないのに、よくあんなに盛り上がれるなという感じがあるにはあるんですけども。
花田 (笑)。
菊地 では最後になりますけども、日本一になるという2023シーズンの開幕投手を勝手に指名してください。
花田 開幕投手は......やっぱり青柳!
菊地 やっぱりここは青柳以外の名前を出してしまうと「奇をてらいすぎだろ!」という感じになってしまいますよね。
花田 サプライズで他の投手の名前を言ってみたい気持ちもあるんですけど、あそこまで完全にエースになってくれましたし、2022年は開幕投手に指名されながらコロナにかかってしまって投げられなかった悔しい思いもしていますしね。前年のリベンジというところも含めて、万全な状態で開幕を投げてもらって、今度こそちゃんと勝って欲しい! もう2022年の開幕戦みたいな思いはしたくないですね。
菊地 ちょっとしたトラウマですからね。
花田 本当、そうですね。
菊地 開幕一勝をいち早く挙げたいという。
花田 「いつ勝つんだろう......」と思って見ていましたからね(笑)。
菊地 では、新シーズンも楽しみにしたいと思います。花田さん、ありがとうございました!