【補強診断】セ・リーグは1球団がA評価 巨人は最低評価も垣間見える「若手飛躍を見込んだチームづくり」

データスタジアム株式会社

阪神 評価C

【データスタジアム株式会社】

 岡田彰布監督の新体制となった阪神は、K・ケラーを除く6名の外国人選手が退団。その中にはガンケルやマルテといった実績のある助っ人も含まれる。2人はコンディションに不安を抱えていたとはいえ、この編成が功を奏すかはやや不透明なところだろう。代わって入団した投手では、3Aで好成績を収めたビーズリーが守護神候補に挙げられる。先発ではB・ケラー、大竹耕太郎を加えたほか、FA権を保有していた西勇輝と岩貞祐太の契約延長に成功した。ポスティングシステムによる藤浪晋太郎の退団が見込まれるものの、12球団トップの防御率を記録した投手力が大きく落ち込むことは避けられそうだ。

 一方の野手では、主軸候補としてノイジーを獲得。3Aでは直近3年間で通算打率.318を記録しており、ポイントゲッターとして期待が大きい。また、中央大からドラフト1位で入団した森下翔太も外野のレギュラー候補に挙げられる。このほかに新外国人のミエセス、日本ハムから渡邉諒、髙濱祐仁の両名をトレードで獲得するなど、新戦力はいずれも打撃が持ち味の選手だ。今季は佐藤輝明、大山悠輔に続く得点源となる打者を欠いただけに、オフはその役割を担えるような選手の確保に動いた形となった。

巨人 評価D

【データスタジアム株式会社】

 5年ぶりとなるBクラスに沈んだ巨人は、今秋のドラフトで目玉選手だった浅野翔吾が入団した。高卒野手が1年目から活躍することは難しいが、将来的にチームを引っ張る存在になるだろう。ドラフト2位では慶応大の萩尾匡也、現役ドラフトではオコエ瑠偉と外野手を相次いで補強している。さらに、5年ぶりに復帰した長野久義、通算301本塁打の松田宣浩と経験豊富なベテランも加えた。その一方で、24本塁打を放ったポランコが退団している。現時点では助っ人野手の補強はなく、ポランコの抜けた穴を埋めたとは言い難い状況だ。

 投手陣では、在籍6年間で通算防御率3.14を記録したメルセデスをはじめ、山口俊や井納翔一といった実績のある選手の退団が目立った。今季は堀田賢慎や井上温大など、プロ初勝利を記録した投手が8名おり、世代交代のシーズンだったといえる。ビーディやメンデスといった新助っ人を加えているものの、退団選手を上回る活躍ができるかは未知数な部分が大きい。さらなる助っ人外国人の獲得も予想されるが、チームの代名詞ともいえる大型補強はここまでない。今オフは若手の飛躍を見込んだチームづくりの方針が垣間見える。

2/3ページ

著者プロフィール

日本で唯一のスポーツデータ専門会社。 野球、サッカー、ラグビー等の試合データ分析・配信、ソフト開発などを手掛ける。

新着記事

編集部ピックアップ

コラムランキング

おすすめ記事(Doスポーツ)

記事一覧

新着公式情報

公式情報一覧

日本オリンピック委員会公式サイト

JOC公式アカウント