バドミントン男子・21歳の奈良岡が急浮上 桃田に代わる新エースへ名乗りを上げる
世界トップクラスに急激に近づいている奈良岡功大。写真は9月ジャパンオープン 【Getty Images】
大会直前にはBWF(世界バドミントン連盟)による年間表彰で、将来性を評価するMost Promising Player賞を受賞した。日本の男子選手では、2012年の桃田賢斗(NTT東日本)以来10年ぶりで2人目。シングルス種目で過去に受賞した11人のうち、不正試合で処分を受けた1人を除く10人は、五輪または世界選手権のメダリストとなっている賞で、世界のトップクラスに躍進していくであろう人材として、世界から注目される存在となった証だ。12月20日更新の世界ランクでは、桃田を抜いて同種目日本最上位となった。2024年パリ五輪の出場権獲得レースが始まる来年を前に、期待株が急浮上してきた。
6月に日本A代表入り、ネット前の技術は世界王者にも通用
BWFワールドツアーファイナルズは、年間を通して世界各地で行われるワールドツアーの年間成績上位選手しか出場できない。奈良岡は今季後半の目覚ましい成績でツアーランク5位に食い込んで出場権を獲得した。ランキング上位選手のみの厳しいグループリーグを2位で通過。準決勝では、グループリーグで敗れたばかりの王者アクセルセンと再戦。得意とするネット前のショットの精度で相手を上回ってフロントコートを支配。上から打ち下ろすショットには角度をつけ、ネットインを連発した。1ゲームを先取し、第2ゲームも終盤の19-18でリード。一気に攻め切ろうとスピードアップしたところをしのがれると、さすがに王者の強さに付いていくのが精いっぱいとなったが、最後まで食らいついてみせた。
奈良岡は「風(の特徴)がつかみにくい体育館で、最初(の対戦で)はガンガンやられちゃいましたけど、2回目は風の感覚もつかめていましたし、一度対戦している分、どこに打って来るかもある程度分かっていたので、だから競れたのかなと思います。自分の得意なショットで、アクセルセン選手を苦しめることができたし(点を)決めることもできたので、良かったです」と試合を振り返った。