連載:井上尚弥、さらなる高みへ 4団体王座統一戦編

【独占インタビュー】ポール・バトラーが井上戦への想いを告白「彼こそが最大のビッグネーム」

杉浦大介

パウンド・フォー・パウンド最高の選手は井上

バトラーはパウンド・フォー・パウンド最高の選手を井上尚弥(写真左)と断言 【Getty Images】

――スパーリングパートナーには誰を起用し、試合までに何ラウンドのスパーリングを行うことになるのですか?

PB スパーリングパートナーはここでは明かせません。スパーリングのラウンド数は数えていませんが、毎日、かなりの数をこなしているのは確かです。準備はできており、試合当日に実を結ぶと信じています。

――敵地である日本で戦うことに関して抵抗感はなかったのでしょうか?

PB むしろ日本で戦いたかったのです。まだ日本には行ったことはありませんが、昨年一度、ドバイでの試合が決まったことがありましたし、アマチュア時代には世界中で戦いました。プロでもイギリス以外で試合をこなしてみたいという希望があったので、日本での4団体統一戦は望み通りでした。

――もちろんボクシングの試合のために来日するわけですが、試合後などに日本で経験してみたいことはありますか?

PB 残念ながら、試合後はすぐに帰国するプランになっています。トレーニング、試合があるので、何かを経験する時間はほとんどないかもしれません。試合前は身体を休ませることが何より重要ですからね。

――子供の頃に好きだったボクサーは?

PB メキシコの英雄、マルコ・アントニオ・バレラです。今の私のファイトスタイルとは似ていませんが、素晴らしいボクシングをする選手だったので、彼の試合を見るのが大好きでした。

――現役で好きな選手は?

PB 私が戦う対戦相手なので、ここでは井上の名前は出せませんね(笑)。本当に見事なボクサーなので、今回の試合が決まるまではファンとして彼の戦いを見るのも好きでした。あとはテレンス・クロフォード(アメリカ)ですね。

――ボクサーとしての究極の目標は?

PB 次の試合に勝つことこそが私の大目標です。さらに先のことは、それを成し遂げたあとに考えるべきなのでしょう。何があるかわからないのがボクシングというスポーツ。とにかく1戦ごとを大事にするというのが私の考え方です。特に今度の試合では山の頂上に立つか、下まで突き落とされるか、そのどちらかなのですから。

――あなたの口ぶりからは井上選手に対する深いリスペクトが感じられます。現在、イギリスではボクシングが大人気ですが、今回の試合が決定後の周囲の反応はどうでしたか?

PB イギリスでも井上の名前はみんなが知っています。どれだけ凄い選手であるかもわかっていますし、パウンド・フォー・パウンドでも1位か2位の選手であることを誰もが理解しています。WBO王者になった時点でたくさんの人が祝福してくれ、先ほどあなたが言った通り、1、2度の防衛戦をこなしても受け入れられたでしょう。それをせずに、階級最強の選手との統一戦に真っ直ぐ向かったことで、私は周囲の人たちから大きな敬意を払われることになったのです。

――あなたは現在のボクシング界で誰がパウンド・フォー・パウンド最高の選手だと思っていますか。

PB 井上が1位です。2位はクロフォード、3位はオレクサンデル・ウシク(ウクライナ)ですかね。

――最後にこの試合を楽しみにしている日本のファンに何か伝えておきたいことはありますか?

PB 日本に行けること、いい試合ができることにエキサイトしています。皆さんにもうすぐ会えるのを本当に楽しみにしています。

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著者プロフィール

東京都生まれ。日本で大学卒業と同時に渡米し、ニューヨークでフリーライターに。現在はボクシング、MLB、NBA、NFLなどを題材に執筆活動中。『スラッガー』『ダンクシュート』『アメリカンフットボール・マガジン』『ボクシングマガジン』『日本経済新聞・電子版』など、雑誌やホームページに寄稿している。2014年10月20日に「日本人投手黄金時代 メジャーリーグにおける真の評価」(KKベストセラーズ)を上梓。Twitterは(http://twitter.com/daisukesugiura)

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