連載:球団別プロスペクト&現役ドラフト注目選手

【現役ドラフト】注目投手14人を紹介 新制度はくすぶる選手のターニングポイントとなるか

データスタジアム株式会社

持ち前のタフさをみせた巨人・戸根は、二軍でチームトップの44試合に登板 【写真は共同】

 12月9日に実施される運びとなった現役ドラフト。この制度は現チームで必ずしも出場機会に恵まれていない選手の移籍を促進するために、2022年オフから開催が決まったシステムである。対象選手のうちから2人以上を指名対象リストとして各球団が提出。ドラフト当日に全球団が指名し、全球団が1人以上必ず選手の出入りが発生する仕組みとなっている。なお、下記の選手は対象から除かれる。

・フリーエージェント権保有者、あるいは同権利の行使経験者
・複数年契約中の選手
・年俸5000万円以上の選手。ただし、5000万以上1億円未満の選手は1人まで可
・育成契約選手
・外国人枠の選手
・昨季の日本シリーズ終了後にトレードで移籍した選手
・今季の日本シリーズ終了後に育成枠から支配下登録された選手


 今回のコラムでは、現所属で近年あまり出番がないものの二軍で好成績を残していて、現役ドラフトの対象となった場合に注目を集めそうな有力選手に触れていく。

※内容は2022年11月28日時点の情報をもとに執筆
※以下、選手の年齢は2022年12月31日時点
※表中の選手は2022年度の推定年俸が5000万円未満の選手

【データ提供:データスタジアム】

 層の厚い救援陣を擁して、日本一に輝いたオリックス。13年目の山田修義は二軍で防御率1点台を記録するなど、あらゆる項目で高水準の数字を記録した。一軍では右のパワーピッチャーが頭角を現したこともあり登板機会に恵まれなかったが、技巧派サウスポーとしての実績、高い素質を備えているのは間違いない。5年目のK-鈴木も二軍で平均球速150キロ以上をマークし、奪三振率、与四球率ともにリーグ屈指の好成績を残していて、まだまだ貢献を見込める存在だ。若手の台頭が著しい投手陣で、チームはどのような選択をするか。

 ソフトバンクの笠谷俊介は、二軍でリリーフを中心に18試合に登板。被打率.139の好成績をマークしたほか、持ち味である高い奪三振能力も見せつけた。今オフにはエース・千賀滉大がメジャー移籍を目指して海外FA権を行使し、セットアッパーとして活躍した藤井皓哉の先発転向が明言されるなど、来季の一軍投手陣の陣容はいまだ不透明だが、あらゆる起用に対応できる強みは、現チームでも他球団に移籍することになっても重宝されるだろう。

 今季のチーム防御率がリーグワーストだった楽天。先発と中継ぎの両方をこなす4年目の弓削隼人は、リリーフ登板時に一軍で防御率0.00、二軍でも同1.25と安定した成績をマークしている。自身も救援投手としての適性を感じたことを明かしており、ブルペン陣にサウスポーを加えたい球団にとっては目玉選手となる可能性もある。

 独特なアームアングルが特徴のロッテ・成田翔は、今季の一軍登板が0に終わったものの、二軍ではリーグトップの46試合に登板。中でも左打者に対しては内角に食い込むシュートを武器に、被打率.099を記録した。来季の開幕時点で25歳と比較的若く、左のスペシャリスト候補として伸びしろが評価されそうだ。

 新庄剛志監督率いる日本ハムは、今季を1年間のトライアウトと位置づけ戦った。移籍2年目の池田隆英は、二軍で先発を中心に13試合に登板し、防御率3.66を記録。新型コロナウイルス感染による離脱もあり一軍登板は4試合にとどまるも、先発として試合をつくる投球を見せていた。救援投手では、福田俊が二軍で奪三振率12.24を記録するなど好成績をマーク。またサウスポーながら、右打者を被打率1割台に抑えるなど持ち味を発揮した。課題である制球面の改善が見られれば、大きな戦力となりうる。

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著者プロフィール

日本で唯一のスポーツデータ専門会社。 野球、サッカー、ラグビー等の試合データ分析・配信、ソフト開発などを手掛ける。

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