「DAZN Jリーグ推進委員会」月間表彰2022

J1月間MVP 横浜FM岩田智輝を変えた 先輩の言葉と「ほぼ毎日」の筋トレ

舩木渉
 9月度の「2022明治安田生命Jリーグ KONAMI 月間MVP(J1)」に、横浜F・マリノスの岩田智輝が選出された。9月はリーグ戦の全5試合にフルタイム出場。無敗(3勝2分け)を維持し、3年ぶりのリーグ優勝に向かって前進するチームを最終ラインから支え続けた。過密日程の中でも、常に100パーセントで戦う“鉄人”のパワーの源とは──。筋骨隆々の肉体が、その秘密を物語っている。

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全員がチームのために走る意識を

9月の5試合で、特に印象深いのが第29節の福岡戦だ。14分の先制点を最後まで守り抜いて手にした勝利は、「チームにとって大きな自信になった」 【(C)J.LEAGUE】

――9月度の明治安田生命J1リーグKONAMI月間MVP受賞、おめでとうございます。まずは初受賞の感想をお聞かせください。

 毎月、盾と一緒に写っている月間MVP受賞選手の写真を見ながら、「あれ欲しいな」と思っていたので嬉しいです。今年は6月にレオ(・セアラ)、7月に(水沼)宏太くんと、F・マリノスのチームメイトも受賞していましたしね。

 チームを代表していただけた賞だと思っているので、選手やスタッフのみんなに感謝したいです。そして、いつも支えてくれている妻にも、MVPをあげたいと思います。

――月間MVPの賞金40万円の使い道は決まっていますか?

 チームのみんなに、僕の地元・大分県宇佐市の名物「宇佐唐揚げ」を食べてほしいんです。なので、クラブハウスの食堂に送ってもらえるよう手配しようと思っています。

――9月はリーグ戦5試合にフル出場しました。その中でも印象に残っている試合はありますか?

 1-0で勝ったホームのアビスパ福岡戦(第29節)ですね。あの試合で完封できたことは、チームにとってすごく大きな自信になりました。

――9月のF・マリノスはリーグ戦5試合で8得点・3失点でした。ここまで総得点、総失点ともにリーグトップの成績ですね。

 9月はFC東京戦(第28節)と京都サンガF.C.戦(第26節)でセットプレーから失点しましたが、その2試合も含めて流れの中からの失点がなかったのは、守備が安定していた証拠だと思っています。FWの選手が前からしっかり走って守備をしてくれることで、後ろも助かります。全員がチームのために走る意識を持ってやれているからこそ、最少失点が実現できているんだと思います。

修行さんの言葉がなければ今の自分はない

常に100パーセントの力でチームのために戦う岩田。そうしたメンタリティが培われたのは、大分時代の先輩・修行からの貴重な助言があったからだという 【スポーツナビ】

――岩田選手個人は、16日間で5試合という過密日程の中で、全試合にフルタイム出場。これは相当にすごいことだと思います。今シーズンのリーグ戦では90パーセント以上の試合に先発出場し、さらにフィールドプレーヤーで唯一、公式戦の出場時間が3000分を超えています。

 毎試合起用していただけているのはすごくありがたいですし、その期待に応えたいという気持ちが一番です。試合に出るからには、しっかりと責任を持ってチームのために戦いたいですし、毎試合、勝利のために全力を注ぎたい。残りの試合も監督やチームメイトの期待に応えられるよう、全力で戦いたいと思っています。

 大分トリニータでの3年目のシーズン(17年)には、J2で試合に出られない時期がありました。悔しい気持ちがあるのに練習で手を抜いてしまって、どんどんうまくいかなくなって腐っていた時、先輩の修行(智仁)さん(現FC今治)から、「この1日を無駄にするな。毎日100パーセントで練習を続けていれば、それが積み重なって絶対に変わるから」という話をしていただいたんです。

その後も、毎日「100パーセントでやれたか?」と聞いてくれて、それで自分のサッカーへの向き合い方がガラリと変わりました。修行さんの言葉がなければ今の自分はないですし、「毎日100パーセントで、責任を持ってチームのために戦う」という意識も持てなかったかもしれない。修行さんには本当に感謝しています。

――今シーズンの前半戦はボランチでの出場が大半でしたが、8月以降はセンターバック(CB)が主戦場になっています。エドゥアルド選手とのコンビも定着し、抜群の安定感と補完性で最終ラインを支えていますね。

 エドゥ(エドゥアルド)をすごく信頼しています。彼は対人がとても強い。自分があまり得意ではない部分ですが、彼が空中戦でしっかりと勝ってくれるなど、役割分担をはっきりできていることが、うまくいっている大きな要因だと思います。チャレンジ&カバーの部分でも、エドゥが前に行ったら自分が後ろをケアできていますし、その逆もスムーズです。すごく良い関係性を築けていますね。

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著者プロフィール

1994年生まれ、神奈川県出身。早稲田大学スポーツ科学部卒業。大学1年次から取材・執筆を開始し、現在はフリーランスとして活動する。世界20カ国以上での取材を経験し、単なるスポーツにとどまらないサッカーの力を世間に伝えるべく、Jリーグや日本代表を中心に海外のマイナーリーグまで幅広くカバーする。

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