もしも選手の登場曲を作るなら…? きつねダンス原曲歌うYlvis(イルヴィス)独占インタビュー
【(C)PLM】
パ・リーグインサイトは、在京局の音楽番組出演で東京に滞在中のふたりをキャッチ。さすがコメディアン! さすが兄弟! といった息ピッタリの掛け合いにもご注目あれ。
日本滞在中は日本食も楽しむヴェガード&ボード兄弟
ヴェガード(兄):ありがとうございます!(日本語で)
ボード(弟):はい、そうですね〜!(日本語で)
――北海道や東京ではおいしいものを食べられましたか?
ボード:はい、日本の食べ物はおいしいものばかりですね。寿司に、ワイン、今までで一番おいしかったです。イチバン!(日本語で)
ヴェガード:日本に来て4日くらい経ちますが、おいしくなかったものがないです。全部完食していますよ。
ボード:いや、昨日君は少し残していただろう?
ヴェガード:君だってポテトを残していたじゃないか!
ボード:正直に申告すると(完食率は)95%くらいです。
――口に合ったようでよかったです(笑)。今年の5月に「パーソル パ・リーグTV」のYouTubeで最初にファイターズの「きつねダンス」に注目した動画を配信したところ、その動画が大変人気となり、一気に広まりました。おふたりがこのブームを知ったのはいつ、どういった経緯でしたか?
ヴェガード:最初は日本に住んでいるノルウェー人がInstagramのDMで「日本で『The FOX』のブームが来ているぞ」と教えてくれました。その後に、日本に住んでいる日本の人がメッセージをくれたり、フォロワーが増えたりしたんです。
でも、それは僕たちもよく目にする“踊ってみた”動画だと思っていました。この曲は2013年にリリースされて以来、パーティーなどで曲が使われては、少しブームになってというのが繰り返されてきたんです。なので、今回のことも同じことだろうとあまり気にしていなかったのですが、そのうち「きつねダンス」というものを踊っているクリップがたくさんSNSにあがってきて、これは普通じゃないぞ、と。
ボード:そうしたら、ショウヘイサン(ファイターズのエンタメ部門を担当する鈴木祥平さん)から来日のオファーをいただきました。
――そのオファーはいつ聞きましたか?
ボード:今年の5月14日です。
――日付まで覚えているんですか?
ボード:なんで覚えていたかというと、本当はその話を聞いてすぐに日本に来たかったのですが、別件のTVの収録があってすぐには来られなかったんです。他の候補日もどうしても合わなくて。そうこうしているうちに、僕たちのことを忘れ去られてしまうのではないかと不安になりましたね(笑)。ありがたいことに、まだ流行が続いていてよかったです。
――久しぶりにあのきつねのコスチュームに袖を通したのでしょうか?
ヴェガード:たまに『The FOX』をやることがあるんですよ。小さなステージや会社の催し物に呼ばれて。だけど、公の場でやるということがあまりなく、まさかスタジアムでやるなんて! 今回の3万6000人というお客さんの数は記録になったと思います。
ボード:僕たちは他にもたくさん曲を持っているので、コンサートで『The FOX』を1曲やるということはあるんですけどね。あれが一番知られている曲ではありますが、それだけではないんだよ、ということを知ってもらえればと思います。
幼い頃からの日本に来る夢、「あぁ実現したんだなと思いました」
ボードさん、ヴェガードさん 【(C)PLM】
ボード:どこの国でやっても同じ反応が返ってくるというのはうれしいです。日本は僕らからしたら地球の反対側の国だから、みんなが踊ってくれるということはうれしくもあり、シュールなことでもありました。そして、世界のどこに行っても“この曲は通じるな”という喜びもあります。実は、子どもの頃から日本に来ることが夢だったので、客席を見ながら、あぁ実現したんだなと思いました。
ヴェガード:この直近ではノルウェーで400人ほどの観客の前で歌いました。今回は3万6000人の前で、ダンサーと一緒に、しかもステージではなくスタジアムのグラウンドで。同じ曲でも状況が違うと、こんなにも感じ方が変わるんだと思いました。
それと、“ダンサーと一緒に踊る”と聞いて最初は5人くらいを想像していたのですが、300人もいたこと! 全員がちゃんと衣装を着こなし、ダンスはパーフェクトだし、音もきちんとしているし。それは本当に最高でした。
――札幌ドームでのきつねダンス動画は、公開から3日で200万回再生突破です。
ヴェガード&ボード:すごーい!(日本語で)
ヴェガード:ノルウェーの人口は500万人なので、ほぼ半数の人が見た数字になりますよ。
――そう考えるとたしかにすごいです(笑)。その直後の始球式ではナイスピッチングでした。感触はいかがでしたか?
ヴェガード:本当は投げるのは苦手なんです。だからすごく緊張しました。
プロ野球選手はまっすぐに投げるけど、僕のボールは弓なりでしたね。おそらくプロ野球選手の半分くらいの速さだったかもしれません。でもグローブの中に収まったからよかったかな。
ボード:そうそう、僕たちはコメディアンだし、ノルウェーでは運動神経悪い兄弟としてTVで笑いをとっているくらい。なので、僕たちはふざけて4メートルくらい大暴投をするべきでしたね。そういう意味ではがっかりしました(笑)
ヴェガード:でも野球が下手なのは本当で、打つだけで7回もチャレンジした動画が上がっているのでそちらも見てみてください。
もしも選手から登場曲のリクエストがあったら、「もちろん作ります!」
ファイターズガールの(左から)塩澤美咲さん、滝谷美夢さん、讃岐花笑さんとYlvisのふたり 【(C)PLM】
ボード:いいね!
ヴェガード:もちろん作りますよ! おもしろいかもしれませんね。
――それはEDMですか? アカペラ曲? それともカントリーソングですか?
ボード:全部です。EDM、アカペラ、カントリーソングも。ミックスさせます。
ヴェガード:EDMとアカペラをどうミックスするんだ?
ボード:やってみせましょう。
――まだ日本の球場ではパンデミックの影響で大声を出せないルールがあり、拍手だけではなくて、合唱したかったし、スタンディングオベーションで迎えたかったねというコメントが、YouTube動画のコメント欄では見られました。
ヴェガード:皆さんの顔を見て、本当は立って踊りたかったんだろうなと感じました。座ったままだったけど、心はスタンディングオベーションで迎えてくれたと思っていますよ。
ボード:こんなこと言っていいのかはわからないですが……僕たちはイヤーモニターを着けているので、歌っている間はお客さんの声がわからないんです。だから、みなさんが笑顔になるのが一番伝わりやすいのです。顔を見れば楽しんでくれているかはわかります。今回も座りながらノッてくれたり、楽しそうにしてくれたりしたのが伝わってきたのでうれしかったですよ。
――また来てくれますか? 次は新しい球場で!
ヴェガード&ボード:もちろん!
ヴェガード:お招きいただけるのであれば絶対来ますよ!
――その時はまた違う曲もお聞かせください!
インタビュー&文・海老原 悠
写真・池田晶紀(ゆかい)
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