SHO-TIME 大谷翔平 メジャー120年の歴史を変えた男

前例なき大谷翔平の“適正価格” 唯一無二の存在とエンゼルスが向かう未来

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2021年にコミッショナー特別賞を受賞した大谷はMLBコミッショナーのロブ・マンフレッド(右)から表彰された 【Photo by Bob Levey/Getty Images】

 大谷翔平が、今生きている人間が誰一人見たことも聞いたこともない圧倒的なシーズンを送り、授賞式に臨む。だが、実はこれでさえ物語の序章であることを本人が示唆した。

 MLBコミッショナーのロブ・マンフレッドは、この7年間、コミッショナー特別賞を誰にも授与していなかった。マンフレッドの前任、バド・シーリグは、ニューヨーク・ヤンキースのデレク・ジーター遊撃手とロサンゼルス・ドジャース専属アナウンサーのヴィン・スカリーを2014年に選出して表彰していたが、マンフレッドは2021年の大谷翔平を見るまで、この賞に値する人物は一人もいなかったという見解だった。

 だが、マンフレッドと側近一同は、以下のような理由で一致したのだという。

「1シーズンでこれだけのことを成し遂げた選手が目の前にいるのに、それを何もせずに見逃すのは大きな間違いだ」

 受賞後、「この1シーズンの今後」はどうなるのかと問われた大谷は、平然とこう答えた。

「僕は、今年と同じことを来年以降も繰り返していける自信が結構あります。そのためにも、毎日、球場で試合に出て数字を残し続ける必要があるわけですが、少なくとも今年に近い数字を今後も出し続けられる感触はあります」

 大谷はこの考えを、日本のNHKが10月後半に組んだ1時間の特別番組でのインタビューであらためて繰り返した。

「僕は、今年の数字は最低限のものだと思っています」

 そう言い切ったのだ。大谷は46本塁打を放ちつつ、先発登板23で防御率3.18を達成し、ベーブ・ルースの1918年と1919年を彷彿させる二刀流の活躍を見せた。大谷の唯一の圧倒的な結果があれば、アメリカン・リーグ最優秀選手に満場一致で選ばれるのは当然だ。

 これが、大谷の言う「最低限」なのだ。数週間後に、大谷のこの自信がエンゼルスのGMのペリー・ミナシアンに伝わると、彼は笑いながら「アーメン」とつぶやいた。
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