連載:今年はオリと共に「特別な夏」

選手&ファンが選ぶ「オリックス・夏の陣ユニ」ランキング 共通の一番人気はあのユニフォームに決定!

カネシゲタカシ

好評すぎて「夏の陣」終了後も着用したアグレッシブブラック

 ユニフォーム人気を決める重要な要素は「色」だ。とくに「黒」と「赤」の人気は普遍的といえる。なかでも2019年のアグレッシブブラックは選手とファンの双方から熱い支持を得た。さすがは当時好評すぎて、夏の陣が終わった9月の試合でも追加着用されただけのことはある。福田周平も「絶対これや。忍者みたいだから」と即決。2009年、2010年の甲冑ユニにはみじんも感じなかった“戦国感”が10年越しで出たといえる。

 ちなみに紅林弘太郎が「赤(2017年デジカモ柄)」を、黒木優太が「黒(アグレッシブブラック)」を選んでいるのが面白い。名前と好きな色には相関関係があるんだと思う。宮城大弥はシャイニングレッド(2013年)と迷った末に「“ひろや”ですけど、“だいや”と書くので」と2018年のダイヤモンド柄に投票。“琉球ダイヤモンド”の異名を背負うプライドを感じた(迷ってたけど)。

地球ユニ時代の“やんちゃな先輩”が懐かしい

 ここ数年の夏の陣は洗練されたデザインが立て続けに採用され好評を得ている。先述のアグレッシブブラック、エナジーグリーン(2021年)、そして今年のゴールドブラウンと、インパクトと格式が見事に共存し、羨ましいほどにカッコ良い。カッコ良いのだが……個人的には少し戸惑いもある。

 地元のやんちゃな先輩が丸くなったみたいな、「優勝もしたし、いつまでも遊んでられへん」と七三分けで就職活動始めたみたいな、そんな寂しさを感じるのだ。もう一度僕はみたい。若手芸人のように目立つことばかり考えていた地球ユニ時代の先輩を。

 しかし過去には「パンダ柄ユニ」「フラミンゴ柄ユニ」「チェック柄ユニ」など次々と“魔球”を繰り出し球界を賑わせたのがオリックスだ。我々が油断した頃に、あっと言わせる奇抜なアイデアを放り込んでくるだろう。今後の夏の陣も目が離せない。
〔選手が選ぶ夏の陣ユニフォームランキングTOP3〕
1位=2015年~地球柄
1位=2019年~アグレッシブブラック
3位=2018年~ダイヤモンド柄

〔ファンが選ぶ夏の陣ユニフォームランキングTOP3〕
1位=2019年~アグレッシブブラック
2位=2021年~エナジーグリーン
3位=2011年~リベンジレッド

選手の支持を集めた2015年の「地球柄」とファン投票1位となった2019年の「アグレッシブブラック」 【オリックス・バファローズ】

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著者プロフィール

1975年生まれの漫画家・コラムニスト。大阪府出身。『週刊少年ジャンプ』(集英社)にてデビュー。現在は『週刊アサヒ芸能』(徳間書店)等に連載を持つほか、テレビ・ラジオ・トークイベントに出演するなど活動範囲を拡大中。元よしもと芸人。著書・共著は『みんなの あるあるプロ野球』(講談社)、『野球大喜利 ザ・グレート』(徳間書店)、『ベイスたん』(KADOKAWA)など。

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