裏方として近江高を支えた球児 引退試合で母に見せた「初ホームラン」
裏方としてチームを支えた3年間
バッティング練習でチームメイトにトスをする松岡選手 【センバツLIVE!】
「(甲子園で)楽しそうに野球をやっている姿を見て羨ましいと思った。メンバーとして活躍出来ない分、(裏方として)積極的に動こうとやっていました」常にチームのためにできることをやってきた3年間だった。
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特別な試合 初めてもらった背番号
高校生活初めて手にする背番号は『8』 【センバツLIVE!】
「悔いなく終わりたい。最後はかっこいい姿を見せて終われたら良いなと思います。」試合での具体的な目標を伺うと、少し考えた様子でこう答えた。「ホームラン打ちます!」最初で最後の晴れ舞台、強い気持ちで臨む。
有言実行!高校生活初めてのホームラン
高校生活最後の試合で『初ホームラン』にガッツポーズをする松岡選手 【センバツLIVE!】
この日の対戦相手は過去に甲子園6度出場の彦根東高校。15年前から毎年、この時期に「引退試合」を行っている。松岡選手は「1番・センター」で出場。母・美穂(みほ)さんも地元・兵庫から駆け付け、息子の勇姿を見守る。
第1打席、さっそくレフトオーバーの2ベースヒットを放ち、これが先制点につながる。息子が生き生きと野球をする姿を見た母・美穂さんは、寮生活を送る松岡選手について「いろいろな部分で大きくなったな。近江に行くまでは何にもできなかったんですけど、親元を離れて帰って来ると、いろいろなことができて成長したと思う」と頬をゆるめる。
第2打席は、内野ゴロで惜しくも出塁とはならなかったが、1塁ベースまで魂のヘッドスライディング!全力プレーにベンチの仲間たちはハイタッチで迎え入れる。
第3打席はフォアボール。迎えた第4打席、高めに浮いた球を逃さずフルスイング。打球はぐんぐん伸びていき、そのままライトスタンドへ。高校3年間の集大成となる引退試合、両親の前で高校生活初めてのホームラン。
「最後だし長打を1本でも多く打って頑張ると言ってくれていたので、鳥肌が立ちました。」母・美穂さんも有言実行の一発に満面の笑みだった。
試合は松岡選手の活躍もあり、9-5で近江が勝利。3年間の汗と涙がつまった引退試合を有終の美で飾った。
18年間ではじめて直接言えた「ありがとう」
母・美穂さんに感謝の言葉を伝える松岡選手 【センバツLIVE!】
高校生活最初で最後のホームランは松岡選手にとって18年間育ててもらった両親への感謝の気持ちが込もった1本だった。
「12年間泣きながら練習して、努力して、やっとすごい。自慢の息子になります」と美穂さんが誇らしげに話した。
選手としては「引退」も、松岡選手の夏はまだ終わらない。滋賀県勢初の全国制覇へ。この夏、部員103人一丸となって想いひとつに戦う。
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