センバツ準優勝の近江 感謝の春から“一丸”の夏へ

センバツLIVE!

バッテリーの信頼から生まれたサヨナラホームラン

“息の合ったコンビ”山田陽翔選手(写真左)と大橋大翔捕手(写真右) 【センバツLIVE!】

 山田選手がセンバツで最も心に残ったシーンがある。それは準決勝・浦和学院(埼玉)戦の延長11回に大橋大翔(おおはしだいと)捕手(3年)が放ったサヨナラ3ランホームランだ。決勝進出を決める一打以上の意味がこのホームランにはあった。

 実は1点を追いかける5回の打席、先発の山田選手が左足に死球を受けるという、アクシデントが発生。痛みに悶絶するが「ここで負けるわけにはいかない」とエースの矜持を胸に、次の回もマウンドに上がった。足に痛みを抱えながらも山田選手は大橋捕手のミットを信頼し投げ続けた。死球を受けた6回以降、許したランナーはわずか3人。1点も与えない気迫のピッチングだった。

 山田選手は大橋捕手についてこう話す。「信頼していたから、大橋もその信頼に応えてくれて、ホームランに繋がったと思う」。バッテリーの信頼から生まれた劇的なサヨナラホームランだった。

 決勝では大阪桐蔭に敗れ、悲願まであと1勝届かなかった。しかし、このセンバツは改めて野球が出来ることに感謝した貴重な大会となった。「甲子園で野球が出来ることは当たり前ではないと毎試合思いながらやっていた感謝・謙虚という想いは1番持っていたと思うので準優勝という結果に繋がったと思う」と山田選手は振り返った。

部員103名で挑む“一丸”の夏

グラウンドの側に飾られている今年のスローガン「一丸」 【センバツLIVE!】

「一丸」。山田選手が決めた今年のチームスローガンだ。「春は一丸ではなかったから日本一になれなかった」。より一層ひとつになるため、全員で行う日頃の練習のアップから重要視し、選手間同士の連携・繋がりといった部分も大切にしてきた。

「(甲子園は)もう一度 立ちたいなと思わせてくれますよね。みんなが憧れる場所というのは納得するぐらいすごく良い場所。準優勝までさせてもらってでもやっぱり満足できない。あの場所で1番にならないと意味がない」

 滋賀県勢悲願の全国制覇へ。集大成の夏、不屈の主将が闘志を燃やす。

(企画構成:センバツLIVE)

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