人気解説者が語る全米オープンの見どころ 松山英樹向きのコース。優勝候補の1人だ
日本勢は全員にチャンスがある
アマの中島啓太を含めて、日本勢は全員にチャンスがあるとタケ小山氏は見る。星野陸也や予選から勝ち上がった小平智(写真)も上位争いが期待できる 【Photo by Vaughn Ridley/Getty Images】
その通り。日本勢は全員にチャンスがあると僕は思っています。アメリカで開催されますが、このコースを試合で経験している選手はほとんどいません。フィッツパトリックは別ですが、99年のライダーカップでこのコースを経験しているタイガー・ウッズは今回出場しませんし、フィル・ミケルソンは出るかどうかまだわかりません。つまりどの選手にとっても未知のコースなので、条件は同じ。フェアだと言えます。
――特に注目する日本人選手はいますか?
直前のカナダの地区予選から勝ち上がった小平(智)選手もいいですし、星野(陸也)選手もいいんじゃないですか。ショット力があるし、勢いもあるので上位争いが期待できます。
アマチュア世界ランク1位を経験したこともあり、国内ツアーですでに優勝している中島啓太君にも注目ですね。世界で戦ってきていますし、オールラウンドプレーヤーだからメジャーでも力を発揮してくれそうです。
その中島君が目標にしている松山選手は優勝候補の1人。僕はこのコースが彼向きだと思っているんですよ。なぜかというと、ゴルフ場全体で21メートルの高低差があリます。彼が昨年優勝したマスターズの舞台オーガスタナショナルも、アップダウンがあってグリーンが難しいトラディショナルなコース。ザ・カントリー・クラブと共通点があります。
ラフが深いので、ただ遠くに飛ばすのではなく、フェアウェイのしかるべき場所にボールを置いて小さなグリーンを正確なショットで狙う。これは松山選手のプレースタイルとマッチします。さらにグリーンを外しても、ライバルたちから一目置かれるバラエティ豊富なグリーン周りのアプローチでしのげるので、我慢比べになったときに強い。勝つチャンスは十分あると思いますよ。
とにかく、ここに出る日本勢は全員にチャンスがあります。
これだけは見逃せないという注目ホールは…
今大会が開催されるザ・カントリー・クラブは、140年の歴史を誇る超名門コース。注目ホールはパー3の11番、過去に想定外のことが起きている17番も鍵となるホールだ 【Photo by Andrew Redington/Getty Images】
端末で見られるので、移動中でも仕事の合間でも好きなときに観戦できるのがメリットです。
試合には4日間、初日から最終日まで1つのストーリーがあります。試合が始まってから優勝者が決まるまで物語に起承転結があるのです。通常のゴルフ中継では決勝ラウンドしか見られないことが多いですが、DAZNなら4日間のストーリーをすべてフォローすることができます。アーカイブに残っているので見逃したシーンも振り返ることができます。
全4ラウンド長時間放映しているので、もちろんすべて見ていただきたいですが、そうはいかないと思うので、これだけは見逃してほしくない、という注目ホールをご紹介しましょう。
――お願いします。
ザ・カントリー・クラブの11番ホールは過去20年の全米オープンで最も距離の短いパー3です。表示は133ヤードですが、どのティから打たせるかで距離は変わってきます。
例えばティーングエリアの一番後ろにティを設置し、グリーンの一番奥にピンを置けば最長142ヤード。逆に一番前のティから手前のピンに打たせれば105ヤードとその差は40ヤードです。40ヤード違えば、持つクラブは2番手から人によっては4番手変わってきます。USGAは日々設定を変えてきますから、同じパー3が毎日違うホールになるのです。
その辺をDAZNならつぶさにチェックすることができます。ここで選手はどんな選択をしたのか? 風などその日のコンディションでどんな変化があったのか? 距離が短いからといってバーディが獲れるわけではありません。試合展開はもちろんですが、日々変化するコースの様子を定点観測するように見るのも面白い。それができるのはDAZNならではです。
(企画・編集:YOJI-GEN)
タケ小山(たけ・こやま)
【画像提供:(株)三桂】
【大会情報】
全米オープンゴルフ選手権
2022年6月16日(木)〜19日(日)
ザ・カントリークラブ(アメリカ・マサチューセッツ州)
DAZNにて全ラウンド配信
解説:タケ小山、佐渡充高、丸山茂樹
実況:藤田崇寛、秋山浩志