川除大輝、板を踏まれて転倒も「実力不足」 スプリント種目で決勝進出ならず

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男子スプリントフリーで立位の川除大輝(左)はメダルを争う決勝に進めなかった 【写真は共同】

 日本の若きエースにとって、悔しい2種目目となってしまった。

 北京パラリンピック6日目の9日、クロスカントリースキーの男子スプリントフリーが行われた。日本は各種目から合計7人が出場。そのうち3人が準決勝進出を決めたが、メダルを争う決勝には届かなかった。7日に行われた男子20キロクラシカルで金メダルを手にした、立位の川除大輝(日立ソリューションズJSC)は準決勝のレース中盤に差し掛かったあたりで転倒。最終順位は7位となり、2つ目のメダル獲得とはならなかった。

 クロスカントリースキーは「雪上のマラソン」とも呼ばれる。長距離走のイメージが強いが、今回はスプリント種目。約1.3キロの距離を各選手が争う。

 スプリントはまず予選を行い、準決勝、決勝と進んでいくノックアウト方式。予選のタイム上位12人が準決勝へ進出し、2組に分かれて決勝進出を競う。さらに各組上位3選手が決勝へ駒を進め、最後は6人の選手でメダルが争われる。

準決勝で板を踏まれるアクシデント

レース中盤に差し掛かったあたりで板を踏まれ転倒してしまった川除。悔しい準決勝となった 【写真は共同】

 7日に行われた20キロクラシカルで自身初となる金メダルを獲得した川除。午前中に行われた予選では、体力面での不安を感じさせない走りを見せ、トップと6.28秒差の全体6位で難なく通過した。

 準決勝になると日差しが照りつけ、中には半袖で滑り出す選手がいるほど気温が上がった国家バイアスロンセンター。そのため、時間によって雪質が変化する難しいコースコンディションとなった。

「最初に来たときと比べて、雪もやわらかくなっていましたね。上りになると足を取られるところがありましたが、僕は緩んだ雪の方が対応できるので、特に気にせず滑ることができました」

 太陽によって緩んだ雪質にも、持ち前の対応力を見せていた。準決勝がスタートしてレース中盤に差し掛かったあたり、川除にアクシデントが起こる。

「最初は向かい風だったので、他の選手の後ろについていこうと思っていました。スタートしてすぐ後ろからフランスの選手が来たので、後についていこうと思っていましたが、その後に続いていた中国の選手と距離感が若干近くて、僕が左足を踏み込んだときに、中国の選手に板を踏まれてしまいました。自分の不注意でもありましたね」

 この転倒により大きくタイムロス。諦めずに先頭集団を追いかけるも、準決勝通過の3位以内にあと一歩届かず4位となり、決勝進出を逃す結果となってしまった。

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