連載:プロ野球・好きな球場ランキング

最年長左腕・能見篤史が好きな球場TOP3 “甲子園以上に投げやすい”球場とは?

大利実

2021年のヤクルトとの日本シリーズでは第6戦に登板した能見篤史。延長11回無死、村上宗隆を左飛に打ち取る、完璧なワンポイントリリーフを披露した 【写真は共同】

 2000年代後半から10年代中盤にかけて、阪神の左腕エースとしてチームを支え、18年に通算100勝を達成。オリックスに移籍した昨季から投手兼任コーチを務める能見篤史が「投げやすい」という好きな球場と、17年間の現役生活で経験した、さまざまな球場でのエピソードを語った。

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18.44メートルが近く感じるマツダ

――能見投手が好きな球場はどこですか?

能見 もともと、マツダスタジアム(MAZDA Zoom-Zoom スタジアム広島)が好きだったんです。球場の雰囲気に加えて、ホームベースからバックネットまでの距離が近いので、僕にとっては非常に投げやすくて。感覚的に18.44メートル(マウンドからホームベースまでの距離)が近く感じる球場でした。

――そういう感じ方があるのですね。どの球場もバッテリー間は同じ距離ですが、マツダは近く見えると。

能見 そうなんです。これは僕だけの感覚かもしれませんが。

――「もともと」「好きだった」という過去形の表現が気になりますが、今は違うのですか?

能見 マツダスタジアムができた2009年頃に比べて、今は大分変わってきました。マウンドの傾斜が以前よりも緩やかになり、マウンドそのものも大きくなりました。このように、マウンドはホーム球団の要望に合わせて、結構変わっていくものなんです。ちなみに僕は傾斜がしっかりとあって、小さめのマウンドの方が好きです。

――マウンドの大きさにも好みがあるのですね。

能見 はい。マウンドは小さいほうが、僕は投球に集中しやすいです。

――マウンドの硬さは気になりますか?

能見 あまり硬いマウンドは好きではなくて。外国人投手は嫌がりますが、僕は程よく柔らかいマウンドの方が投げやすいです。最近はメジャーリーグに合わせているのか、パワーピッチャーに向く硬いマウンドが増えています。

――能見投手は阪神時代、2017年6月24日の対広島戦(マツダスタジアム)で4回途中まで投げるも雨天ノーゲームになったことがありました。

能見 覚えていますよ。マツダスタジアムのような屋外球場における雨はどうにもならないので、試行錯誤しながら対応しています。それに、雨のときは「バッターの方が打ちにくいんじゃないか」と、開き直るようにもしています。

――雨への対応で、ステップ幅を狭くすることはありますか。

能見 雨だからといって狭くすることはありません。それをするのは札幌ドームで投げるときです。札幌ドームのマウンドはすごく硬くて、いつもと同じ歩幅にすると、前に体重を乗せるのが難しい。半足分ぐらい歩幅を狭くして、前足に乗れるように微調整しています。
 

地方球場に強い理由はマウンドにあり

地方球場に強い能見が好きと語る、富山県のアルペンスタジアム(写真は1996年のオールスター開催時のもの) 【写真は共同】

――能見投手は柔らかいマウンドが好みなのですね。

能見 そうです。だから地方球場はめちゃくちゃ投げやすいです。新潟(HARD OFF ECOスタジアム新潟)や米子(どらドラパーク米子市民球場)など、さまざまな球場で投げてきました。

――地方球場に強い理由がわかりました。2013年には愛媛県松山市の坊ちゃんスタジアム、富山県富山市のアルペンスタジアム(富山市民球場)、沖縄県那覇市の沖縄セルラースタジアム那覇と、先発で3連勝を飾っています。マウンドの柔らかさは、ピッチングにどのような影響を与えますか?

能見 踏み込んだときに土が柔らかい分、滑るというか、遊びができるんです。そのおかげで、前足に乗る時間を作ることができます。マウンドが硬いと、踏み込んだ力がそのまま後ろに返ってきてしまう。僕の投げ方には合っていないですね。

――地方球場で、特に好きな球場はありますか。

能見 富山のアルペンスタジアムですね。改修されて綺麗になり、さらにマウンドの土も柔らかく、本当に投げやすかった思い出があります。

――外国人投手は苦労しそうですね。

能見 そうですね。マウンドが柔らかい地方球場に慣れていない外国人投手は多く、特に継投の際は(外国人投手の起用は)気を付けたいですね。

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著者プロフィール

大利実

1977年生まれ、横浜市出身。大学卒業後、スポーツライター事務所を経て独立。中学軟式野球、高校野球を中心に取材・執筆。著書に『激戦 神奈川高校野球 新時代を戦う監督たち』(インプレス)、『高校野球継投論』(竹書房)、『高校野球界の監督がここまで明かす! 打撃技術の極意』(カンゼン)、『部活はそんなに悪者なのか!? 脱ブラック部活! 現役教師の挑戦』(インプレス)などがある。

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