羽生の集大成を示す「4回転半認定」、圧倒的だったチェン 歴史的試合を無良崇人が総括
大会期間中の急成長で銀メダルを獲得した鍵山
得点自体は団体戦の方が高かったのですが、個人戦にはまた違う緊張感があります。ましてやショート2位での折り返しで、メダルを意識してのフリー。さすがに「緊張しました」と言っていましたが、そのなかで「自信を持ってやろう」という気持ちが勝っているのが伝わってきましたね。
演技構成点(PCS)は9.75点まで出したジャッジもいて、本当によく滑っていました。彼はスイスイ滑るのが、本当に良いところです。銀メダリストに値する滑りだったと思います。
銀から銅になるも4年分の成長を示した宇野
本来なら4回転トウループも「4回転+3回転」にしたかったと思いますが、無謀なことはせずに、自分ができる内容で、どうやったら一番ミスなくまとめられるかを考えに考えて演技したということ。宇野選手の頑張りを感じました。
演技面でも、この『ボレロ』を演じようとしていました。魅せることが板についてきたというか、年齢にともなって成長しています。表現を意識しすぎるとジャンプの精度が落ちることもありますが、「攻める気持ちでジャンプを維持してやる」というアプローチができるのが宇野選手らしさかなと思いました。
今シーズン通して4回転を5本という攻める気持ちを持って戦ってきて、この五輪という大舞台でそれをやり遂げた。「成長の銅メダル」だと思います。好き勝手にやったら獲れたというメダルではなく、自分がどうしたら良いかを考えたうえで得たメダルだから、本当に価値があると思います。4年分の成長が詰まっているメダルですね。