【マッチレポート】JR東日本カップ2024 第98回関東大学サッカーリーグ戦・2部リーグ第4節

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待望の今季リーグ初勝利を挙げた早稲田大 【©早稲田大学ア式蹴球部】

首位・山梨学院大学の連勝がストップし全勝チームが消滅。下位グループでは早稲田大学、法政大学が今季初白星!

 『JR東日本カップ2024 第98回関東大学サッカーリーグ戦』【2部リーグ】第4節は、5月5日(日)に全6試合が行われた。

【©JUFA】

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 今節は上位グループ、下位グループともに変動があった。まずはここまで3連勝、唯一の無敗チームの山梨学院大学と、前節、待望の初勝利を挙げた順天堂大学が対戦。試合は序盤に山学大が先手を取る。14分、山学大は中根悠衣が左サイドから上げたクロスに、ゴール前に走り込んだ金津力輝が滑り込みながら合わせて先制点を挙げる。その後もたびたびチャンスを作る山学大だったが順大も後半開始早々に反撃を開始。48分、コーナーキックがポストを直撃。ゴール前は混戦となるが、最後は谷口大晟が押し込んで順大が同点に追いつく。このゴールで試合の流れは順大に傾き、70分、今井啓太のヒールパスに岩井琢朗が反応。ハーフウェーライン付近から一気にドリブルで駆け上がるとゴール前でマイナスのパス。これを栗原諒が蹴り込んで2-1に。順大が逆転に成功する。対する山学大も、その5分前に3人の選手を一気に交代。69分にも交代カードを切り、一気に4人の選手をピッチに送り出す。するとこれが奏功。足の止まってきた順大相手に主導権を奪い返すと、終了間際の88分に決定機。近藤那央が岩城颯真とのワンツーで抜け出し鮮やかなミドルシュートを決めて追加点。近藤、岩城の途中出場コンビのゴールで同点に追いつき2-2でタイムアップ。山学大は初の引き分けで連勝が3でストップとなったが、依然として無敗のまま首位をキープ。順大は目前で連勝を逃したものの、勝点1を積み上げた。

金津力輝のゴールで幸先のよいスタートを切った山梨学院大 【©JUFA】

日比威新監督の下、少しずつ調子を上げてきている順天堂大は一時は山梨学院大からリードを奪う 【©JUFA】


 一方、山学大を勝点2差で追う慶應義塾大学と立正大学はこのチャンスを活かしきれなかった。2位・慶大はホームに8位の神奈川大学を迎えて対戦。試合はともにチャンスを決めきれずスコアレスのまま後半へ。すると68分、交代出場したばかりの神大・藤田仁朗が左サイドから切り込んだところを倒されてペナルティーキックを獲得。これを藤田自身がゴール右に決めて神大が先制する。このゴールが決勝点となり試合は0-1で終了。勝てば首位の可能性のあった慶大だったが4位に後退する結果に。2勝目を挙げた神大は8位から6位へと順位を上げた。3位・立正大と7位・産業能率大学の試合は、早い時間帯にスコアが動いた。立正大は6分、吉野陽翔の深い位置からのロングキックで突破口を開くと、最後は鈴木隼のクロスに多田圭佑が頭で合わせて先制。しかしその後は産能大も積極的な攻撃でチャンスを作ると、44分には松森堅誠が倒されてペナルティーキックを獲得。しかしキッカー鈴木琉矢のシュートは、立正大GK熊倉匠がセーブ。産能大はこぼれたボールからさらにチャンスを作り、押川優希がシュートを放つがGK熊倉が今度はしっかりキャッチ。立正大はGK熊倉の活躍でピンチを防いだ。一方、絶好のチャンスを逃した産能大だったが、前半終了間際の45+6分には鈴木のスルーパスに松森が反応。そのまま豪快なミドルシュートを突き刺す。一度は決定機を逸した産能大だったが、鈴木・松森コンビがそれを挽回するプレーで同点に追いつき1-1で試合を振り出しに戻した。後半は立正大が試合のペースを握るものの、追加点を奪うことはできず1-1で試合終了。両チーム勝点1を分け合い、ともに順位をひとつ落とす結果となった。

 慶大、立正大に替わり2位に浮上したのは5位の日本体育大学だ。立ち上がりから主導権を握ると、29分にフリーキックからのこぼれ球を吉崎太雅が押し込んで先制。日体大はその6分後にも、菅野隆星のパスに佐藤恵介が合わせて追加点。2-0で試合を折り返した。2点のビハインドを負った立教大学は後半の頭から小林慶太、加藤遼太朗のふたりを投入。流れを変えようとするが逆に58分に失点を喫してしまう。日体大は立教大のパスを奪った小澤亮太がDFをかわしペナルティーエリア近くまで駆け上がりミドルシュート。これが決まり、日体大が3-0とリードを広げる。しかしここから立教大が反撃を開始する。68分、嵯峨康太からのロングパスを収めた水野将人が技ありのシュートを決めて1点を返すと、76分にはコーナーキックからボールをつなぎ、最後は織田舜大が頭で合わせて2点目を挙げる。1点差にまで迫った立教大だったが、日体大もそれ以上のゴールは許さず3-2で試合終了。今季は黒星スタートを切った日体大だがその後は3連勝で勝点を9に伸ばし、首位・山学大に勝点2差に迫った。

 第3節を終えて、未だ勝利がないのは10位・立教大と11位・早稲田大学、12位・法政大学の3チーム。立教大は日体大に敗れたが、今節は未勝利の早大、法大にも動きがあった。前節は伝統の"早慶戦"で大敗を喫した早大だったが、今節は早い時間帯に先制。18分にコーナーキックを獲得すると、伊勢航のキックに駒沢直哉が頭で合わせる。駒沢の3試合連続ゴールで勢いに乗りたい早大だったが追加点を奪うまでは至らない。それでも城西大の攻撃をきっちりと防ぎ試合は終盤に突入。すると87分、伊勢のミドルシュートを城西大DFがクリア。このクリアボールを山市秀翔が収めると、すかさず右足を振り抜いて追加点。早大が城西大を突き放す2点目を挙げて試合終了。早大が待望の今季リーグ初勝利を収め、11位から9位へと順位を上げた。

早稲田大は駒沢直哉の3試合連続ゴールで先制 【©早稲田大学ア式蹴球部】


 そして、2部リーグ最大の"想定外"、3連敗中の最下位・法政大学は2連勝中の4位・拓殖大学と対戦。前半、攻撃のリズムを握ったのは拓大だったがどうしても決めきることができない。すると39分、法大はGK寺田周太のロングキックからチャンスを作ると、細かくパスをつないで、最後は中川敦瑛が右足を振り抜いてゴール右隅にシュートを突き刺す。法大の前半のシュートはこの1本のみ。だが、エース・中川の今季リーグ戦初ゴールで法大がホーム・拓大からリードを奪った。後半に入り攻撃のギアを上げてきた法大に対し、拓大は61分、交代したばかりの法大・小湊絆の突破を止めようとしたDF神山友陽のプレーが得点機会阻止と判断されて退場に。残り約30分をひとり少ない10人で戦うことになった。このファウルで得たフリーキックは得点に結びつかなかったものの、数的優位に立った法大は72分、拓大のパスミスからゴール前でボールを収めた小湊がそのままゴール右隅にシュート。これが決まり、法大がリードを2点差に広げる。法大はその後も積極的に拓大ゴールを狙い、アディショナルタイムに入った90+7分にも松村晃助が巧みなボールコントロールからダメ押しの3点目。試合はそのまま終了し、法大が0-3で今季初勝利を挙げた。法大の勝利は昨年の5月末のリーグ戦第6節以来、約11ケ月ぶり。中川、小湊、松村と"獲るべき人"がゴールを重ねての初白星となった。

昨年の5月末以来、実に11ケ月ぶりとなる勝利を味わう法政大の選手たち 【©法政大学体育会サッカー部】



 上位グループ、下位グループとも大きな動きのあった第4節。唯一の全勝チーム、首位・山梨学院大学は今季初のドロー決着で連勝が3でストップ。しかしながら未だ無敗で首位の座を堅持している。2位には、第2節以来3連勝の日本体育大学が5位から2位にジャンプアップ。首位と勝点2差で前節2位の慶應義塾大学、3位立正大学はともに勝ち星をあげられず、首位奪取のチャンスを逃した。一方、下位グループでは11位・早稲田大学、12位・法政大学がそろって初勝利。この結果、早大は9位・法大は10位に浮上。唯一の未勝利チームとなった立教大学が最下位に転落することとなった。

 次節はともに初勝利を挙げたばかりの早大と法大が直接対決。2勝目を挙げ、巻き返しの足がかりを作るのはどちらとなるか。次節、第5節は1週間のインターバルをおいて5月19日(日)に全6試合が行われる。


※表示スコアはホーム対アウェーのスコアで表示。

(文・飯嶋玲子)
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著者プロフィール

一般財団法人関東大学サッカー連盟は、関東地域における大学サッカーの水準向上と普及、加盟チーム相互の親睦共励、そして広く社会に貢献できる学生を育成することを目的に、1924年に創設されました。主要大会のひとつである『関東大学サッカーリーグ戦』では関東7地域から36大学が参加し、1部~3部のカテゴリーで熱戦を繰り広げています。近年は日本代表にも多くの選手を輩出するなど、通年でレベルの高い試合を展開しています。また主管大会として、大学の日本一を決める『全日本大学サッカー選手権大会』(インカレ)などの全国大会も実施しています。

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