【ラグビー/NTTリーグワン】武藤ゆらぎ、日本代表の10番との対峙。 「状況判断スキルを磨いてほしい」(松田力也)<横浜E vs 埼玉WK>

横浜キヤノンイーグルス 武藤選手 【©ジャパンラグビーリーグワン】

マッチエピソード&記者会見レポート
横浜E 14-43 埼玉WK


横浜キヤノンイーグルス(以下、横浜E)は5月4日(土)、埼玉パナソニックワイルドナイツ(以下、埼玉WK)と対戦し、14対43で敗れた。

前節・トヨタヴェルブリッツ戦に続き先発を任されたのは、武藤ゆらぎ。この日も難しい位置からのコンバージョンゴールを2本成功させるなど、活躍を見せた。

秘訣は、普段の練習にあった。日頃から「(田村)優さん、沢木さん(沢木敬介監督)と一緒にキックを蹴って、アドバイスをもらっている」のだという。ときには沢木監督自らが蹴って手本を見せることもあるそうで「自分では分かっていない悪いところを外から見て、的確に教えてくれます」と感謝する。

今節は、日本代表の松田力也と対面でプレーした。先週はニュージーランド代表のボーデン・バレッド、今週は日本代表が待ち受けた。結果はスコアに表れたとおりだ。「落ち着いていた。パス一つ、キック一つのスキルが高く、ゲームコントロールでも完全に支配された」と桜の10番を肌で感じた。

一方の松田は、先発デビュー2戦目のルーキー・武藤について「安定して、落ち着いてプレーしていた」と及第点を与える。だからこそ「もっともっと経験して、プレッシャー下での良い状況判断スキルを磨いてほしい」とエールを送った。

これで、横浜Eは4位でプレーオフトーナメントに進むことが決まった。2週間後には、準決勝で再び埼玉WKと相まみえる。

この試合を受けて、ここからどう点差を縮めるのか。武藤は「ゲームを左右するようなミスをしないよう、ゲームメーカーとしてスキル精度を見直し追求したい」としながらも「こういうレベルでプレーし続けて、常に試合で学びたい。ゲームの流れ、ゲームコントロール、プレッシャー下でのスキルすべてにおいて学べる」とプレータイムを得られていることに感謝した。

セカンダリーホストエリアである大分で迎えた、今季のラストホストゲーム。ゴールデンウィークの中日にもかかわらず、会場には7,800人を超えるファンが詰め掛け、来るプレーオフトーナメントに向け選手たちの背中を力強く後押しした。

(原田友莉子)

【©ジャパンラグビーリーグワン】

横浜キヤノンイーグルス
沢木敬介監督

「点差どおりぐらいに、埼玉パナソニックワイルドナイツ(以下、埼玉WK)さんにしっかり試合をコントロールされました。やっぱり経験ある埼玉WKさんはすごく強かったと思います。ただ下を向いていても仕方ないので、けが人も戻ってきて、2週間後のゲーム(同カードのプレーオフトーナメント準決勝)に向けて、今日の29点差をどれだけ詰められるか。もっとタフにもっとスマートに良い準備をして次の試合を迎えたいと思います」

――プレーオフトーナメントに向けた収穫を教えてください。
「リーグ最終戦で、セカンダリーホストエリアの大分の多くのファンのみなさまの前で良い試合を見せたかったのですが残念な結果になりました。

毎試合学ぶことがあって、先週の試合(トヨタヴェルブリッツ戦)を踏まえて、ペナルティをどういうふうに受け止めているか、ということが(今日の試合で見たかったのですが)、あまり改善されていないポイントだと思います。これだとゲームを相手にコントロールされるし、たとえばセミファイナルの一発勝負になったら、命取りになるので。一人ひとりがもっとしっかりとペナルティに対しての意識を持ってほしい。どれだけペナルティ一つがチームに影響を与えるかということに向き合ってほしいです。それができないと勝てないので。そういう、コントロールできる選手が多いのが埼玉WKさんだと思いますので、そのへんをしっかりとマネジメントしていかないといけないと思っています」

――大分でのゲームが今季のリーグ戦最後の試合になりました。会場には赤いジャージー姿の人も増えたと思いますが、ファンのみなさまへのメッセージと、プレーオフトーナメントに向けた意気込みをお願いします。
「応援しに来てくれたたくさんの人に残念なラグビーを見せてしまって申し訳ないです。もっとエキサイティングなラグビーをやりたかった。ただ、まだ次があるので、引き続き応援してくれたらありがたいと思います」

――2週間後にプレーオフトーナメント準決勝で同じ相手と対戦することになりますが、どういったところで上回りたいと考えているか教えてください。
「あらゆるところで埼玉WKさんのレベルが上だと思いますけど。ただ一発勝負は何があるか分からない。僕らは失うものがないし、逆に今日こういう負け方をして、必ず選手に火が付くと思うので。そういうところに期待しながら2週間準備します」

横浜キヤノンイーグルス
中村駿太ゲームキャプテン

「本当に完敗です。要所で良いところもありましたし、2週間後はしっかりチームとして勝てるように明日から良い準備を重ねていきたいと思います」

――プレーオフトーナメントに向けた収穫を教えてください。
「現状の埼玉WKさんとの差が分かったことも収穫だし、自分たちがどういう覚悟をもってやらないといけないか、勝つために何をしなければいけないか明確になったことはプラスだったと思います」

――どういったところに収穫を感じたか教えてください。
「スクラムで何本かペナルティを取られてしまったところはありましたが、手ごたえはありました。ラインアウトももっとやらなければいけないのですが、スキルが遂行できていれば取れているシーンもあったと思います。そういったところです」

――大分でのゲームが今季の最後のリーグ戦になりました。会場には赤いジャージー姿の人も増えたと思いますが、ファンのみなさまへのメッセージと、プレーオフトーナメントに向けた意気込みをお願いします。
「今日勝てなかった、残念なゲームをしてしまったことに対して申し訳ないと思います。でも試合中の声援は、ピッチにいても聞こえました。継続していただいて、もっと応援していただきたいと思いますし、またプレーオフトーナメントで優勝できるように選手は頑張っていくので応援よろしくお願いします」

【©ジャパンラグビーリーグワン】

埼玉パナソニックワイルドナイツ
ロビー・ディーンズ監督

「ラグビーをするには素晴らしい環境でした。この二つのチームは、もうすぐ(プレーオフトーナメント準決勝での)試合が待っているという状況で、すごく挑戦的な状況だったと思いますが、選手たちのパフォーマンスに満足しています。選手たちもすごく楽しみに待ち望んでいる時期です。1週間リカバリーをして、セミファイナルを迎えたいと思います」

――レギュラーシーズンを全勝で終えました。成長を感じるポイントを教えてください。
「大会において成長は必要不可欠なものです。毎年毎年、毎週毎週と難しくなる試合の中で、一つのチームが分析をされるなど日に日に難しくなっていきます。選手たちの努力にはすごいものがあります。今日、みなさまがご覧になられたとおり、違うポジションでプレーする選手たちもいる中で、良い対応をしてくれたと感じています。

ラグビーというスポーツはチャレンジングなこともありますし、驚くようなこともあります。本日の試合においては、ダミアン・デアレンデ選手のポジションにヴィンス・アソ選手が入って、すごく良いプレーをしてくれたと感じています。またこの試合中、足がつった選手に代わって、スクラムハーフの内田啓介選手がウイングに入ったり、山沢京平選手がキックを蹴らなければいけなくなってしまったりしました。(山沢選手はキックチャージされてしまったため)次は多分もっと早く蹴ってくれると思いますが、学んで成長してくれていると感じます。

このステージになると、ここからは負けられない戦いが始まってきます。その日にならないと分からないこともたくさんある中で、シーズンを戦ってきたことは経験になります。イチからの再スタートになりますが、頑張ります」

埼玉パナソニックワイルドナイツ
坂手淳史キャプテン

「すごく良いコンディションの中でラグビーができて、すごく楽しかったです。九州で、大分でラグビーをすることがすごく好きですし、素晴らしいグラウンドでした。7,800人を超えるお客様に入っていただけて本当に良い雰囲気でした。プレーに関しては、ミスもありましたが総じて良いプレーが多かったと思います。ゲームの中でコントロールする時間も多かったので、良かったです。自分たちのミスやペナルティからスコアされることが前半はあったので、そこに関しては修正していきたいと思います。一番の収穫は、後半を無失点で抑えられたことだと思います。これからもディフェンスを武器として、相手の脅威になれるようにやっていきたいと思っています」

――レギュラーシーズンを全勝で終えました。成長を感じるポイントを教えてください。
「質問どおり、まさに『成長』に今季はフォーカスしてきました。自分たちを心地の良い状態(に置くの)ではなく、毎週どうやって自分たちを成長させるか。交流戦が終わり、全チームと一度戦い終わったあと、『どのチームにも勝てた。ここから戦う相手は、すべて一度勝った相手になる。それでも自分たちはどういうふうにプレーして、自分たちはどうフォーカスするか』と集中して準備をしてきました。それに対してみんなが働いてくれて、動き続けてくれた結果が、この16連勝だと思います。この流れや成長をさらに高めて次のプレーオフトーナメントを迎えたいと思いますし、それができるチームだと思うので。まだまだ強くなった姿を、2週間後にはお見せできると思います」
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著者プロフィール

ジャパンラグビー リーグワンは、「あなたの街から、世界最高をつくろう」をビジョンに掲げ、前身であるジャパンラグビー トップリーグを受け継ぐ形で、2022年1月に開幕した日本国内最高峰のラグビー大会です。ラグビーワールドカップ2023を控え、セカンドシーズンとなるリーグワン全23チームの熱戦をご期待ください。

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