平野歩夢が二刀流の恩恵を受けた「着地」 スノボHP予選・決勝展望を野上大介が解説
トリプルコーク1440は「仕掛けるタイミング」に注目
日本選手にとって最大のライバルになるのがジェームズ。世界選手権3連覇の実績を誇る強敵だ 【Photo by Patrick Smith/Getty Images】
また、過去3大会で金メダルを獲得し、今大会限りでの引退を表明している35歳のショーン・ホワイト選手にも注目です。予選の1本目ではミスがありましたが、しっかり2本目で4位につけてきたのはさすがの一言ですね。五輪の前にケガや新型コロナウイルスに感染した影響で、まだすべてを出し切ってはいないであろう点が非常に不気味に感じる存在だと言えます。
決勝を観戦する上でのポイントは、選手たちがトリプルコーク1440をそれぞれ「どのタイミングで出してくるか」ですね。限られた滞空時間の中で回転数を稼ぐには、踏み切りでしっかり力を伝えなければなりません。でもその分、着地時にブレが出やすく転倒につながりやすいので、滑走の序盤で仕掛けるのは非常にリスキーなんですよ。
ジェームズ選手はおそらく最後のほうだと思うんですけど、日本の選手たちがどこで出してくるのかをチェックしてみてください。戸塚選手も本来の力を発揮すればトリプルコーク1440を成功できる実力のある選手ですし、ベストを出せれば限りなく金メダルに近い選手なので、日本人の表彰台ワンツーも可能性が大いにあると言えそうです。
野上大介(のがみだいすけ)
野上大介(のがみだいすけ) 【写真:BACKSIDE編集部】