ベティス快進撃の秘密は? ポルトガル代表MFウィリアム・カルバーリョ「監督の存在は大きい」

工藤拓

ラ・リーガで躍進を続けているベティス。レアル・マドリーに次ぐ得点数を誇るチームにおいて、カルバーリョの存在は欠かせない 【Getty Images】

 ベティスが好調だ。ラ・リーガでは首位レアル・マドリーに次ぐ得点数を誇り、バルセロナやアトレティコ・マドリーを抑えて3位につける。さらにヨーロッパリーグ(EL)では決勝トーナメントに勝ち進み、コパ・デル・レイでも4強入りを果たしている

 快進撃を続けるチームの中で、加入4シーズン目の大型MFウィリアム・カルバーリョは攻守のバランサーとして欠かせない役割を担っている。充実のシーズンを過ごす29歳は、間もなくベティスとポルトガル代表の双方で重要な時を迎える。そんな彼に対し、世界各国のメディアからさまざまな質問が寄せられた。(取材日:1月28日)

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今は自分のプレーに自信を持っている

――今季のベティスはチャンピオンズリーグ(CL)出場権を獲得できる位置につけている(シンガポール)

 確かに今季はとても調子がいいね。チームとしてとても良い仕事ができている。もちろん監督の存在は大きいし、個々が高いパフォーマンスを維持していることもピッチ上のプレーに反映されている。

――個人的にも、今季はベティス加入1年目以来となる素晴らしいパフォーマンスでチームに貢献している。好調の要因は?(英国)

 いろんな要素があると思う。チームが好調であれば選手個々のパフォーマンスも自然と良くなっていくもの。今季は個人的にすごく調子が良くて、たくさんプレーできている。それは積み重ねてきたトレーニングの成果だ。この調子を維持するために、今後も続けていきたい。

――今季前半は素晴らしいパフォーマンスを維持できた。不安定なプレーが続いた過去数シーズンとの違いは何か?(ポルトガル)

 確かに過去数シーズンはパフォーマンスが安定しなかった。でも自分のプレーには自信があるし、自分がチームにもたらせるものが何かは理解しているつもりだ。今季は良い形でスタートし、安定して良いプレーができている。今後も良い仕事を続けていくつもりだよ。

――自身のプレースタイルはどのように進化してきたのか。ペジェグリーニ監督の印象、ギド・ロドリゲスと組む中盤での役割は?(ポーランド)

 監督とはよく話すし、信頼してもらっている。今は自分のプレーに自信を持っているし、良いトレーニングもできている。ギドやアンドレス(・グアルダード)、中盤の他の選手とも十分に練習を積み重ねているし、自分たちくらいの質があればいろんなことが簡単にできるんだ。

――今季のベティスが躍進を遂げている要因、その中でペジェグリーニ監督が果たしている役割は?(ドイツ)

 鍵は日々のトレーニングにある。監督の指示を信じ、これまで通り一丸となって戦っていくこと。それができればシーズン終了時には多くの成功を手にすることができるはずだ。

――ベティスが4位以内でシーズンを終われる見込みはどれくらいあるのか。CLに出場したらクラブにどのような変化が生じると思う?(UAE)

 1試合、1試合に集中して臨まなければならないと思っている。まだ多くの試合が残っているからね。うまくいけば素晴らしいシーズンにできると思う。来季CLに出場することができれば、ファンや選手、クラブに関わるすべての人々がつかんだ勝利になる。ベティスは長い間CLに出場できていなかったからね。そのことは頭にあるけど、先にも言った通り今は1試合、1試合に集中して戦い続けるつもりだ。

残り試合はすべてファイナルのつもりで

カルバーリョは好調を維持するベティスをCL出場に導けるか 【Getty Images】

――今季ベティスはレアル・マドリーに次いで多くの得点を挙げている(第22節終了時点でレアル・マドリー47得点、ベティス41得点)。その要因は?(インドネシア)

 多くのゴールを挙げていることは確かだけど、良い守備も重要だ。いくらゴールを奪っても、守備が安定しなければ上位に留まり続けることは不可能だからね。もっと守備を安定させ、さらにこれまで通りゴールを決め続けなければならない。

――ラ・リーガは2強の時代が終わったと言えるか?(エジプト)

 ノー。ラ・リーガの優勝候補はレアル・マドリーとバルセロナだ。今季は混戦となっており、他のチームが勝つ可能性もあるけど、優勝候補はいつだってレアル・マドリーとバルセロナ、アトレティコ・マドリーだよ。

――リオネル・メッシ、クリスティアーノ・ロナウドがいなくなった現在のラ・リーガで、最も対戦するのが難しい選手は?(香港)

 今のラ・リーガにはメッシもクリスティアーノもいないけど、質の高い選手はたくさんいる。特にハイレベルな選手をそろえたレアル・マドリーやバルセロナとの対戦はいつだって困難だよ。

――これからベティスはセビージャやアトレティコとの対戦が控えている。これら重要な試合に向けてどう準備していくつもりか。これらの試合に勝てば来季のCL出場権を獲得できると思うか?(英国)

 今後も連戦が続くけど、もう慣れているし、それは3つのコンペティション全てで良い戦いができている証でもある。前にも言った通り、ベティスは1試合、1試合に集中し、ファイナルのように戦っていく必要がある。素晴らしいシーズンを全うし、上位にとどまり続けるためにはね。

――ラ・リーガでは最後の4節でバルセロナ、バレンシア、グラナダ、レアル・マドリーと対戦する。今のうちに勝ち点を稼ぎ、一刻も早くCL出場権を確保する必要があると意識しているか?(英国)

 そうだね。ここからの試合が持つ重要性はよく理解している。上位を維持するためには勝ち続けなければならない。でも前にも話した通り、ベティスは1試合、1試合に集中して戦うべきだ。謙虚さを忘れず、最後までその姿勢を貫くつもりだよ。

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著者プロフィール

東京生まれの神奈川育ち。桐光学園高‐早稲田大学文学部卒。幼稚園のクラブでボールを蹴りはじめ、大学時代よりフットボールライターを志す。2006年よりバルセロナ在住。現在はサッカーを中心に欧州のスポーツ取材に奔走しつつ、執筆、翻訳活動を続けている。生涯現役を目標にプレーも継続。自身が立ち上げたバルセロナのフットサルチームは活動10周年を迎えた。

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