【2022年最新】テーラーメイド「STEALTH シリーズ」を解説!最大の特徴はカーボンフェース
【スポナビGolf 】
今回、トレンドウォッチャーとしても知られる、ゴルフライターのコヤマカズヒロさんに、最大の話題作になりそうなテーラーメイド『STEALTH』について、解説していただきました。
カーボンフェースを採用した『STEALTH』
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フェース部は、飛距離性能に直結する部分であり、各メーカーはより高強度のチタン素材を採用し、肉厚に微細な工夫を凝らすなどして、その反発性能を競ってきました。比重が軽く、強度に優れ、反発性能が高いチタン素材がこれまで継続的に採用されてきたのも、性能を出すのにチタンが有利だからです。
しかし、『STEALTH』ではあえてカーボン素材を使用しています。高い強度と反発を生むため、60層ものカーボングラファイト素材を成功に重ね合わせ、フェース全面にナノレベルのポリマーコーティングを施すという独自の製法で生まれた「60X カーボン ツイストフェース」を搭載しています。
カーボン素材を採用する大きなメリットが、その軽さです。ドライバーヘッドはフェース部分が最も重量が重くなるのですが、比重か軽いとされるチタン素材と比べても、カーボンは遥かに軽く、『STEALTH』ではフェース重量を44%も軽量化しています。その余剰重量を他の部分に配分することが出来、チタンでは出来なかった大胆なヘッド設計が可能になりました。
カーボンフェースを採用することで、フェース面積も20%拡大。その分、高反発エリアが拡大し、寛容性も向上しています。パーシモンからメタル、メタルからチタンへと材料が変わることで、ドライバーが劇的に進化したように、カーボンフェースにはクラブの未来を変えるような可能性を持っているのです。
かつて、カーボンは国内メーカーが優位だった
これらのモデルは非常に軽く、年配ゴルファーにとって大きな力になったものの、反発性能や耐久性などの問題もあってか、なかなか市場の主流にはなりませんでした。特に、当時はタングステンなどの高比重ウェイトを使うノウハウもなく、全体的に軽くなった点と、パーシモン時代の形状にひっぱられすぎて、カーボン本来の良さを活かせなかった面があったでしょう。例えば、劇的に大型化するなどの進化を遂げることがなかったのです。
2002年にはプロギア『TR DUO』が、はじめてカーボンクラウンを採用しました。カーボンクラウンを採用し、現代にも連なる「マルチマテリアル」構造を採用した初代『M1』は、2015年秋発売なので、プロギアがいかに先進性があったかわかろうというものです。ことカーボンという点で言えば、かつては国内メーカーが先を行っていた時代がありました。
9年前に登場したカーボンフェース
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テーラーメイドのカーボンフェースは、『グローレリザーブ』の後、その翌年の2代目『グローレ』、さらに2015年の『ロイヤルグローレ』と日本限定モデルで採用されました。残念ながら、市場での人気が芳しくなく、その後は採用されることはありませんでしたが、カーボンフェースの研究開発は継続して行われていたようです。そして、『STEALTH』では満を持して、グローバルモデルへの採用となりました。
テーラーメイドではかれこれ20年間、カーボン素材を研究してきたといいます。ようやくフラッグシップモデルに搭載できる性能と品質を実現したからこそ、人気ブランドだった『SIM』を終えてまで、今回『STEALTH』でリリースすることになったわけで、並々ならぬ自信があるものと思います。
『STEALTH』ドライバーは3モデルがラインナップ
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ノーマルの『STEALTH』ドライバーは、昨年モデルで言えば『SIM2 MAX』に相当するモデルです。ヘッド後方のバックウェイト周辺を重くすることで低・深重心化し、高慣性モーメントによる寛容性アップを実現したモデルです。このあたりの特性は、フェース素材は違ってもこれまでのモデルのコンセプトを踏襲するものと言えそうです。
『STEALTH HD』ドライバーは、昨年の『SIM2 MAX-D』に相当するモデルで、ドローバイアス設計で球をつかまえやすく、高弾道で飛ばせる仕様になっています。3機種の中ではもっともスライサー向けのモデルです。
加えて、フェアウェイウッドとユーティリティが2機種。アイアンが1機種発売になります。すでに年明けの「セントリートーナメント オブ チャンピオンズ」で、PGAツアープロたちも実戦投入しており、これからゴルファーの間で話題になるのも確実でしょう。
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