大津vs.青森山田、注目すべき3つのポイント 両校の「10番対決」は実現するのか?
大津(写真左)と青森山田(写真右)の決勝戦を3つのポイントに分けて展望する 【写真は共同】
辞退を決めた関東第一の選手、スタッフ、関係者への思いとともに、意図せず初の決勝進出となった大津の選手、スタッフ、関係者は変な後ろめたさを抱いていないかが心配される。
「昨日(7日)の夜8時に報告を受けて、選手たちの動揺は隠せなくて、午前の練習も少し元気はなかった。準決勝に向けていろんな人からメッセージをもらっていたので、そこがなくなったのはぽっかり穴が空いたような感じ。座っていても言葉を一切交わさない状況でした」と大津・山城朋大監督が重い口を開いたように、大津としてもショックは大きい。それだけに、大津の選手たちには堂々とファイナリストとして戦ってほしいと切に願う。
前置きが長くなってしまったが、ともにユース年代最高峰の高円宮杯プレミアリーグに所属するチーム同士の戦いとなった決勝戦を3つのポイントに分けて展望する。
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左の田澤夢積と右の藤森颯太をどう封じるか
藤森颯太(写真左)のドリブル突破はわかっていても止められないほどの切れ味で、かつトップスピードに乗った中でも周囲を見渡せる力を持っている 【写真は共同】
大津はいかにこの両サイドを自由にさせないかが重要になってくる。多くのチームがこの両ワイドに対して5バックを敷いて、サイドと縦へのスペースを消しにかかった。準決勝の高川学園も5バックにして両サイドを消しにかかったが、後半は巻き返しのために4バックに戻すと、藤森の突破力がより際立つようになった。
「5バックで縦のスペースを消される時は、周りを使ってパスを駆使しながら打開することを考えましたが、後半は4バックになったのでサイドで1対1ができるようになって、もっと自分の良さを出せるようになったと思います」
藤森がこう語ったように、4バックの相手の方が良さが生きるのは間違いない。大津の基本布陣は4-4-2。果たして平岡和徳総監督、山城監督はどの選択をして来るのか。大津はプレミアWESTで強豪Jクラブユースと対等に渡り合ってきており、『対青森山田布陣』を敷かずに真っ向勝負を挑んでもハイレベルな戦いになることは間違いないだけに、その采配には注目が集まる。