大津vs.青森山田、注目すべき3つのポイント 両校の「10番対決」は実現するのか?

安藤隆人

小林俊瑛vs.丸山大和&三輪椋平のCBコンビ

大津の最前線に君臨するのが191センチの小林俊瑛(写真中央)。鉄壁を誇る青森山田の2CBがどのような対処を見せるか注目だ 【写真は共同】

 大津の最前線に君臨するのが191センチの2年生ストライカー・小林俊瑛だ。彼は高さだけに頼らず、ロングボールやクサビを受ける動きをこの1年間で磨き続けた。

「大きいから足元が苦手だとは思われたくない。足元でボールを受けるのは好きだし、かつ自分のサイズを生かしながらタメを作ったり、前を向くプレーを意識しています」と、彼は夏の和倉ユース大会でこう話していた。その言葉通り、パスやフィード、クロスに対する体の向きやボールの収め方を工夫したことで、飛んでくるボールの落下地点に入る質やジャンプのタイミングにも磨きがかかった。

 ヘッドで捉えるだけではなく、胸でトラップして収めたり、ワンタッチで周りにパスを送るなど、引き出しが増えているストライカーに対し、鉄壁を誇る青森山田の2CBがどのような対処を見せるか。

 丸山大和は179センチだが、身体のバネと空中でのフィジカルの安定感はずば抜けている。小林と丸山のマッチアップはこの試合の大きな見どころの1つとなるだろう。一方の三輪椋平も空中戦は得意で、かつラインコントロールも緻密。丸山の対人の強さを生かしながら、小林のセカンドプレーを封じる頭脳プレーもまた、この試合の見どころの1つとなる。

 小林の能力が上回るのか、2人の連携が2年生エースを封じるのか。非常に楽しみなバトルだ。

10番対決は実現するのか

青森山田の松木玖生(写真左)と大津の森田大智(写真右)の10番対決は実現するのか 【写真は共同】

 ともにチームの中枢はナンバー10にある。青森山田の松木玖生と大津の森田大智。ともにボランチで技術面でも精神面でもチームの中心で、松木は高いボール奪取能力と前への推進力を持って攻守の切り替えと分厚い攻撃を生み出す。

 森田は視野が広く、どのポジションの選手がボールを持っても、必ずパスコースに顔を出してボールを集約。巧みなボールキープと展開力、逆をつく一撃必殺のパスで攻撃のリズムを作り出す。

 この2人の技術、精神面でのバトルは非常にハイレベルで決勝にふさわしいマッチアップとなる。だが、心配なのは森田のケガの状態だ。準々決勝の前橋育英戦で負傷退場した影響がどこまであるのか。そこは決勝のメンバー発表で明らかになる。

 最後に、ファイナリストの肩にのしかかるプレッシャーは勝敗だけではない。無事に決勝戦を戦えるかという、本来ならば背負う必要のないプレッシャーも選手たちにのしかかっていることは忘れてはいけない。

「今回の件や試合に際しての抗原検査、スマートアンプ検査も緊張感があった。今日(7日)の朝の検査なんかは選手も一言もしゃべらずに自分の結果を食い入るように見ていて、次は自分たちの番かもしれないという気持ちになっていた」(山城監督)

 この状況下で戦う決勝は我々が思う以上に難しい。それでも、ファイナルの舞台で力をぶつけ合うことを誓っている彼らに心からリスペクトを送りながら、この展望を締めたい。

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著者プロフィール

1978年2月9日生まれ、岐阜県出身。5年半勤めていた銀行を辞め単身上京してフリーの道へ。高校、大学、Jリーグ、日本代表、海外サッカーと幅広く取材し、これまで取材で訪問した国は35を超える。2013年5月から2014年5月まで週刊少年ジャンプで『蹴ジャン!』を1年連載。2015年12月からNumberWebで『ユース教授のサッカージャーナル』を連載中。他多数媒体に寄稿し、全国の高校、大学で年10回近くの講演活動も行っている。本の著作・共同制作は12作、代表作は『走り続ける才能たち』(実業之日本社)、『15歳』、『そして歩き出す サッカーと白血病と僕の日常』、『ムサシと武蔵』、『ドーハの歓喜』(4作とも徳間書店)。東海学生サッカーリーグ2部の名城大学体育会蹴球部フットボールダイレクター

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