藤田慶和(埼玉WK)×岸岡智樹(S東京ベイ) リーグワン注目選手対談「後世に語り継がれる開幕戦を」
「また見たい」は開幕戦に懸かっている
早稲田大教育学部数学科出身の岸岡。文武両道を地で行く選手で、司令塔として所属チームを数多の勝利に導いてきた 【Getty Images】
藤田 僕の中ではJリーグの開幕戦のような歴史的な瞬間になるというイメージがあります。後世に語り継がれる開幕戦になると思いますし、そこに向けてしっかり準備して両チームともに素晴らしいラグビー、激しいラグビーをお見せできたら最高ですね。
岸岡 新しいリーグということでメディアの方でも取り上げていただく機会が増えると思いますし、その取り上げ方というところで試合内容も影響してくると思います。「また見に来よう」と思っていただけるかどうかは、この開幕戦のカードに懸かっていると言っても過言ではないでしょう。
――お互いをどのようなプレーヤーだと分析していますか?
藤田 頭のいいプレーヤーで人も使えて自分も行けるという、相手にいると嫌なスタンドオフという印象。とにかく判断がいいですね。早稲田大のときもいい判断でチームを勝利に導いていましたし、お世辞抜きですごくいい選手だと思います。
岸岡 ダイナミックなランが持ち味で対戦相手からすれば、いかにフリーなスペースを与えずにプレッシャーをかけていけるか。フリーのスペースでいい状態でボールが渡るといとも簡単にトライというシーンをつくられてしまいますので、そういったところはケアしないといけないと思います。
――相手チームのキーマンは誰になるでしょうか?
岸岡 15人全員ですね。日本代表に名を連ねている選手もスピアーズより圧倒的に多いですし、そういう意味では誰一人、気が抜けないです。1〜15番の選手、あとリザーブ含めてチームとして強いというのがワイルドナイツさんの印象なので、どこを崩すのかというと難しいですね。他のチームや大学生のチームだと「この選手をマークすれば」ということもありますが、リーグワンは全チームにスペシャルな選手がそろっていますし、その中でもワイルドナイツさんは頭ひとつ抜き出ていると思うので、全員がキーマンですと答えるしかありません(苦笑)。
藤田 まずはマルコム(・マークス)選手。スクラム、セットプレーの両面でキーマンになると思います。あと開幕戦は岸岡が10番(スタンドオフ)で出てくると思っています。岸岡を思い通りに動かしてしまうと勢いのあるセンターやバックスリーが生きてくるので、できるだけ岸岡や外側にボールがいく前にプレッシャーをかけたいと思っています。
リーグワンの成否によって日本ラグビーの今後が決まる
稲垣啓太(右)、堀江翔太(左)らスター選手を多く擁する埼玉WK。S東京ベイとの試合は、開幕戦を飾るにふさわしい好カードだ 【Getty Images】
藤田 すべてにおいて、すごくいいカードだと思います。すべてが見どころなので、「ここ!」って感じで一部を抜き出すのは難しいですね。ワイルドナイツ的にはウイングでオーストラリア代表の(マリカ・)コロインベテもいますし、そういう世界で活躍している選手が何人もいるので、外国人選手の活躍も見てもらえればと思います。
――23年にはW杯も控えていますし、リーグワンは初年度から重要な役割を担っていますね。
藤田 リーグワンの成否によって日本ラグビーの今後が決まってくると思うので、リーグとしてもチームとしてもいいスタートダッシュが切れればいいですね。
――両選手の今後の目標を教えください。
藤田 まずはリーグワンで少しでも多くの試合に出場して、チームの勝利に貢献するというのが個人の目標です。その先に関しては、23年のW杯・フランス大会や24年のパリ五輪を、また目指しながら頑張っていきたいですね。
岸岡 チームの目標がリーグワン初代王者ですので、そこが個人の目標でもあります。その先はやはり23年のW杯ですね。今シーズンの活躍が選手選考にも影響すると思いますので、中長期的なことも見据えながら今シーズンを戦っていきたいと思います。