知念雄がなかやまきんに君に届ける マニア目線の「ラグビーの魅力」【異色対談・後編】
多様なポジション、役割、そして体格!
高校時代は縁がなかったラグビーの魅力を、ぶつかり合いなどの非日常性と語る知念。その過酷なぶつかり合いが求められるプロップでチームを支える 【撮影・佐藤まりえ】
知念 「多様性」という言葉がよく使われますが、僕みたいに大きい選手がスクラムを組んで押し合いますし、スクラムのすぐ横とか後ろには司令塔の役割を担う選手いて、そのまた後ろに足が速い選手がいて、というふうにポジションによって役割が大きく異なります。ただし、全ポジションの一人ひとりが自分の役割を果たさなければ、チームとしてやりたいことが遂行できません。各選手が自分の仕事をまっとうして、初めて戦術が形になるんです。
きんに君 そうなんですね。
知念 例えば、僕らがスクラムで相手に押されたら自分たちが考えているプレーができませんし、反対に僕らが相手を押していいボールが回っても最後の人がボールを落としたら、結局相手ボールになってしまいます。全員が自分に与えられた役割を、チームのためにまっとうするのもラグビーの特長だと思います。バスケなどのほかの競技でもそうですが、ラグビーの場合はポジションによって体格の違いもあるので、わかりやすいかなと。
きんに君 バスケとかに比べると、それぞれの役割がより明確かもしれませんね。
――スクラムを組まなくてもいいポジションもありますが、きんに君さんがやりたいポジションはありますか?
きんに君 いや、あの……ジムのトレーナーのバイトで(笑)。プロテインを作って選手に渡します。
知念 はははは(笑)。いいですね。
きんに君 やっぱりぶつかり合うのは避けたいですね。とにかくケガをしたくないんです。ケガとか痛みが原因で思い切ってトレーニングできないのが一番つらいです(笑)。
――そんなきんに君さんですが、知念選手から見て、活躍できそうなポジションはどこでしょう?
知念 ケガをしたくないと言っていましたけど、素晴らしい体と向上心がある方なので、タックルの回数が一番多い7番(フランカー)とかがいいんじゃないですか?(笑)
きんに君 はははは笑。どんどん相手に突っ込んでいくポジションですか?
知念 はい。フィジカルもあるので、いけると思うんですけど。
きんに君 いやいや…(笑)。でも、タックルは力がない人なりの倒す角度とかもあるんですか?
知念 そうですね。大きい7番もいれば小さい7番もいて、小さい7番はパワーが劣るぶん、テクニックがあります。タックルのときに相手の太ももじゃなくて、足首の近くに行って一発で倒せるような体の使い方ができる人とかも多いので。
きんに君 そうなんですね。その辺も研究されているんですね。
知念 すごいです。タックルマニアみたいな選手もいますし。きんに君さんもいけると思います(笑)。
きんに君 ……(笑)。
――きんに君さんのように、ボディメイクをやっている人だからこそ、楽しめそうなポイントはありますか?
知念 選手の体格を見てもらうのは面白いと思います。僕らのポジション(プロップ)の中でも太ももがめちゃくちゃ太くて上半身も分厚い選手もいれば、上半身が分厚いのに足が細い、でもスクラムはちゃんと押せるという選手もいるので。ウイングでも細身で足が速いカッコいいタイプもいれば、僕みたいな体格をしていて、「なんで、この体で足が速いんだろう」というタイプもいます。選手の外見だったら興味が出やすいかもしれません。
きんに君 たしかに興味あります!
知念 司令塔なのに広背筋がすごく発達していて、ユニフォームがパツパツな選手もいます。「その筋肉、どこで使っているの?」みたいな(笑)。
きんに君 それはいいですね。そこからいろいろな役割があるのを学んだり、なんでこんな選手がいるんだろうという感じで。
知念 あとは選手じゃないですけど、試合中、選手に水を渡す人がいるんです。社会人の場合、だいたいはコーチがやるんですが、中には短パンを履いていてカーフ(ふくらはぎ)がめちゃくちゃ発達している人もいます。「この人、現役のときすごかったんだろうな」という妄想もできると思います。
きんに君 それも面白そうですね。さっき、ジムでプロテインを渡すと言いましたが、やるなら水を渡す係でもいいですね(笑)。
――知念選手おすすめのポイントを聞いて、ラグビーへの興味が湧きそうですか?
きんに君 聞いているだけで、もう楽しみですね。テレビではなかなか見えないところだと思うので、会場に行ったらそういうところを見てみたいです!
取材・構成/ライトハウス