辻直人×比江島慎の洛南OB対談 “冬の洛南”を担った二枚看板(後編)

将来プロ、日本代表になることを確信できた重要な大会

比江島(左)は2、3年生でベスト5に選出される活躍で、チーム3連覇に大きく貢献した 【写真:アフロスポーツ】

――ウインターカップを経験したことが今に役立っているというのは何かありますか?

 大舞台で優勝したのはウインターカップが初めてで、その後にNBLや天皇杯のファイナルも経験しましたが、その最初が良い経験で終われているのは大きかったなと思いますね。

比江島 僕は、全国から良い選手が集まった中で将来プロや日本代表になるという確信が持てた。そういった自信が得られた大会だったので、特別な舞台だったと思います。

――では最後にメッセージをお願いしたいのですが、まずはコロナ禍の中で部活動が制限されて大会にも出られない高校生たちに向けてお願いします。

 今まで当たり前だったことに急に制限がかかってしまって、部活に打ち込んでいた時間がなくなってしまったり、自分ではコントロールできない部分が大きすぎて我慢しないといけないことが多いと思います。でも、部活で出会った仲間との関係は今後も続くと思いますし、今あるいろんな制限もいつか必ずなくなるので、年を重ねた時にまたその仲間とできることがあると思う。そういう信じる気持ちも大事だし、今までやってきたことは無駄にはならない。悔しい気持ちを持ちながらも、それを次の学年、次のステップにぶつけられるように楽しんでほしいなと思います。

比江島 もし僕がそういう立場に置かれたらと考えると胸が痛いです。でも、そういう悔しい経験があったからこそ今があると将来思えるように、くさることなく今を大事にしてほしい。今経験していることを5年後、10年後に笑って話せるように今を楽しんでほしいと思います。

――続いて、今回ウインターカップに出場する選手たちに向けてメッセージをください。

 3年生は一緒に頑張ってきた仲間、3年間支えてくださったご家族に対する感謝の気持ちはもちろんですが、さみしい気持ちもあると思いますし、そういった気持ちを全部コート上で出して、全力を出しきってほしいです。また、いつどうなるかわからない状況で大会が進んでいくと思うので、細心の注意を払って、さまざまな対策をしてくれている関係者の方たちにも感謝の気持ちを持って、バスケットボールというスポーツを心から楽しんでほしいなと思います。

比江島 本当に、後悔なくプレーしてほしいなと思います。それって難しいことだとは思うのですが、選ばれし者しか立てない舞台なので誇りに思って、自信を持って楽しんでほしいです。3年生にとっては最後の大会になるので、例えば出られない3年生のためとか、いろんな思いを背負って戦ってもらいたいですし、1、2年生は3年生をはじめいろんな方に感謝してプレーしてほしいです。

比江島(左)と辻(右)はともに洛南高校から青山学院大学に進学。いまもお互いに刺激しあっている 【バスケットボールキング編集部】

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