五輪銀メダリスト・稲見萌寧プロのクラブセッティングを奥嶋コーチが解説!
【スポナビGolf】
そこで、稲見プロのコーチであり、五輪ではキャディも務めていた奥嶋誠昭プロに、ゴルフライターの鶴原弘高さんが直接取材。東京五輪当時の稲見プロのクラブセッティングについて詳しく聞きました。
銀メダルを獲得した稲見萌寧プロのクラブセッティング
写真:ロイター/アフロ 【ロイター/アフロ】
シャフト: USTマミヤ ジ・アッタス 5(S)
奥嶋「稲見プロは、ヘッドの構えやすさにこだわりを持っている選手です。ドライバーに関しては、ソールの据わりがよくて、フェースがストレートに見えるモデルでないと使いません。実際にそういうクラブでないと、まっすぐに飛ばせないんです。彼女にとって、今もっともしっくりきているのが『マーベリック サブゼロ』。低スピンの性能なので、持ち球のフェードで飛ばせるのも気に入っているようです。最新モデルも試していますが、このモデルの満足度が高すぎて替えられないみたいです」
シャフト: USTマミヤ アッタス 11 5(S)
奥嶋「このフェアウェイウッドは、昨年終盤から使い始めています。稲見プロのスイングが少し変わったせいもあって、以前から使っていたモデルだとスピン量が多くて球が前に飛ばなくなってしまい、引っ掛けのミスも出るようになっていました。そこで、僕が過去に試打して好感触だった『スリクソン ZX フェアウェイウッド』を推薦したところ、うまく彼女にハマったようです。3番ウッドだけは、とにかく強い球で飛距離を稼ぎたいので、シャフトのチップ側を0.5インチカットして装着してあるのもポイントですね」
シャフト: USTマミヤ アッタス MB-HY65(S)
奥嶋「オリンピックの開幕直前から使い始めたのが、『スリクソン ZX ハイブリッド』。稲見プロのキャディバッグのなかでは、いちばん新しいクラブです。これまで使っていたモデルだと球がフケるようになり、5番アイアンとの飛距離差が出づらくなっていたのがスイッチした大きな理由。フェアウェイウッドと同様に、こちらも狙った距離を飛ばせるようになり、引っ掛けのミスが出なくなりました」
シャフト:日本シャフト NSプロ 950GH neo(R)
奥嶋「アイアンショットは稲見プロの生命線なので、アイアンのモデル選びには特に強いこだわりがあるようです。一時期は異なるメーカーのアイアンを使っていましたが、現在は以前に使っていた『P770 アイアン』に戻っています。性能的には、適度な寛容性を備えながらも操作しやすいモデル。稲見プロは、このアイアンのコントロールのしやすさが気に入っていますね。シャフトには、球を拾いやすくて弾道の高さを出しやすい『NSプロ 950GH neo』を装着しています」
奥嶋「単品ウェッジは、タイトリストの『SM8』をロフト違いで2本使用しています。58度は、フェースを開いても使いやすく、操作性のいいバンス角8度のMグラインド。バンスの当たり方やソールの抜け具合も稲見プロの打ち方に合っていると思います。シャフトは、アイアンとは異なる『NSプロ 950GH(R)』が装着されています」
奥嶋「ヘッドの見た目は完全なブレードタイプですが、トラス構造によってストローク中にヘッドを安定して動かしやすいのが特徴です。稲見プロは、構えやすさ、安定性、打感、すべてが気に入っているようですね」
奥嶋「もともと稲見プロが打つ球質は、スピンが少なめの強い弾道なんです。アイアンショットではできるだけスピンを入れて弾道の高さを出したいので、ソフトなフィーリングでグリーンに球を止めやすい『ツアー B XS』をチョイスしています。グリーン周りからのアプローチでのスピン性能もバツグン! ピンそばでボールをピタッと止めたいアマチュアの方にもオススメします」
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