連載:#BAYSTARS - 横浜DeNAベイスターズ連載企画 -

ベイスターズとアイドルマスターの共通点 ファンを増やす「連帯感」の作り方

中島大輔

エンタメ業界で求められる役割

10周年から次なるフェーズに舵を取るベイスターズ。これからも新たな仕掛けでファンを楽しませてくれるだろう 【(C)YDB】

宮河 一つ僕からいいですか。ベイスターズさんがすごいなと思うのは、球団だけではなく球場を所有したり、ボールパーク化構想を実現したりするなど、今までの考え方にとらわれず野球を中心にどんどん広げていこうとしていること。横浜、神奈川をどうしようかとベイスターズさんは考えているじゃないですか。これから絶対必要な考え方だと思いますし、すごく参考になります。我々も島根スサノオマジックというバスケットチーム単体ではなく、その周りをどう広げていくかを考えていく必要があります。

木村 スポーツチームは知名度のわりに、事業規模はそれほど大きくありません。売り上げが100億円とか200億円という世界ですが、みんなが知っています。その知名度を活かし切れていないのではと、モヤモヤ思っていました。知名度をもっと活かしていくには、自社の売り上げや利益だけにとどまらずにフィールドを広げていくしかない。社内でそういう議論をよくしています。そうした話が、横浜、神奈川にどう広げていくかとつながっていった気がしますね。個人的には、そういう素朴なモヤモヤを常に抱えています(笑)。

宮河 でも、それを打破している感じがすごくしますよ。

「動くガンダム」プロジェクトの陣頭指揮を執った宮河氏が考える、エンタメを生み出す者の役目とは何か 【スリーライト】

木村 ありがとうございます。逆に私から一つ言わせていただくと、宮河社長と今回お話しさせていただいて、楽しみながら仕事をされていることがよく伝わってきました。

宮河 僕はとにかくエンタメが好きで仕方ない。好きなことばかりやっているので、仕事とプライベートの境目が正直言ってあまりないんです。ベイスターズの岡村信悟前社長から、木村さんは野球がすごく好きだとずいぶん聞いているけれど、好きじゃなかったらエンターテインメントの仕事なんてやらない方がいいですよね?

木村 そうですね(笑)。そういう意味では、会社の中で一番この仕事を楽しんでいる人でありたいという思いはあります。

宮河 それが一番大切です。

木村 目の前で取り組んでいることに対して楽しみたいと、常に思っています。私の場合は野球を見るのがもともと趣味だったので、仕事感覚ではないかもしれないということも含めてですが。

宮河 たぶんバンダイナムコグループで、一番楽しみながら仕事をしているのは僕だと思っています。それが社長の役目ではないかなという気がしますね。

(企画構成:株式会社スリーライト/撮影協力:GUNDAM FACTORY YOKOHAMA)

木村洋太(きむら・ようた)

株式会社横浜DeNAベイスターズ代表取締役社長。2007年東京大学工学系研究科航空宇宙工学専攻修士課程修了。同年、米系経営戦略コンサルティングファームBain and Company東京支社に入社。2012年株式会社横浜DeNAベイスターズに入社。その後、事業本部チケット営業部部長、経営戦略・IT戦略部部長、執行役員事業本部本部長、取締役副社長を歴任。2021年4月より現職。

宮河恭夫(みやかわ・やすお)

株式会社バンダイナムコエンターテインメント代表取締役社長。2000年代『機動戦士ガンダムSEED』シリーズや、『機動戦士ガンダム00』シリーズを手がけ、ガンダムアニメ30周年時の「GREEN TOKYO ガンダムプロジェクト」を経て、2014年より「一般社団法人ガンダムGLOBAL CHALLENGE」代表理事として「動くガンダム」を企画し、先導。2020年に「GUNDAM FACTORY YOKOHAMA」に「動くガンダム」を公開。2019年4月1日より現職。

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著者プロフィール

1979年埼玉県生まれ。上智大学在学中からスポーツライター、編集者として活動。05年夏、セルティックの中村俊輔を追い掛けてスコットランドに渡り、4年間密着取材。帰国後は主に野球を取材。新著に『プロ野球 FA宣言の闇』。2013年から中南米野球の取材を行い、2017年に上梓した『中南米野球はなぜ強いのか』(ともに亜紀書房)がミズノスポーツライター賞の優秀賞。その他の著書に『野球消滅』(新潮新書)と『人を育てる名監督の教え』(双葉社)がある。

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