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「北京戦士」が語る、五輪の記憶と重み
星野ジャパン同窓会・野手編(1)
2008年北京五輪のメンバーだった(写真左から)森野将彦、G.G.佐藤、宮本慎也の3氏。13年後にオンラインで再会し、本音トークを展開した。
2008年北京五輪のメンバーだった(写真左から)森野将彦、G.G.佐藤、宮本慎也の3氏。13年後にオンラインで再会し、本音トークを展開した。【写真は共同】

 まもなく東京五輪が開幕し、野球日本代表「侍ジャパン」の戦いが始まる。その決戦を前に、2008年の北京五輪に出場した「星野ジャパン」のメンバーが集結。野手編では、チームの主将を務めた宮本慎也、G.G.佐藤、森野将彦の3氏が登場。まさかの「メダルなし」に終わった13年前の”苦い記憶”に自ら切り込みながら、当時のチーム状況と戦いぶりから課題を見つけ出し、東京五輪での金メダル獲得へのヒントを探す。

 オンライントークの模様はスポーツナビ公式YouTubeチャンネルで配信中。

万全ではなかった中で迎えた北京開幕

 今から13年前、2008年の北京五輪に臨む「星野ジャパン」には、野球ファンのみならず、日本国民の大きな関心と期待が寄せられていた。「期待」の中身は「金メダル」のみ――。プロアマ混成チームで臨んだ2000年シドニー五輪で4位に終わり、初のオールプロで挑んだ2004年アテネ五輪も期待を裏切る銅メダル。悔しさを抱えた中、06年の第1回WBCで見事に初代王者となった日本には、「次は五輪だ!」、「次こそは金メダルだ!」との気運が高まっていたのだ。


 メンバーも、それに相応しい面々が揃った。“闘将”星野仙一監督の下、投手コーチにアテネ大会からの継続となる大野豊、打撃コーチに盟友・田淵幸一、守備走塁コーチには山本浩二が入り、投手陣には川上憲伸、上原浩治、ダルビッシュ有、田中将大、野手陣には阿部慎之助、西岡剛、青木宣親、稲葉篤紀など、NPBで実績のあるベテランと新進気鋭の若手を融合したドリームチームを構成。07年12月に行われたアジア予選を3戦全勝で突破して北京行きを決めた。


 だが、このチームの主将を務めた宮本氏は、五輪の直前合宿時のチーム状況を「結構、故障者とか、喉が痛いとか色々あった」と記憶する。アテネ五輪の時の「1球団2人まで」の制限が取っ払われた中でのメンバー選考で、星野監督は「最強メンバー」と自信を見せたが、故障明けの選手やそのシーズン前半戦で不調だった選手が多く招集されたことも事実で、さらに合宿に入ってからも喉の痛みを訴えた村田修一が緊急入院したほか、川崎宗則が左足甲を痛め、西岡は首痛を発症。チームのコンディションは万全ではなかった。

チーム編成、北京と東京の違い

星野仙一監督の下、最強メンバーが集まって臨んだ北京五輪だったが、結果は4位。主将を務めた宮本氏は「寄せ集めのチームだった」と振り返る
星野仙一監督の下、最強メンバーが集まって臨んだ北京五輪だったが、結果は4位。主将を務めた宮本氏は「寄せ集めのチームだった」と振り返る【写真:青木紘二/アフロスポーツ】

 また、普段は敵同士の“寄せ集め”のチームでもあった。12年に代表チームが常設化される前であり、急造チームの印象は今よりも強かった。アジア予選には参加せず、五輪直前に招集されたG.G.佐藤氏は、「宮本さんが予選に行ってないメンバーを呼んでくれて『気にしないでいつも通りやってくれ』とミーティングをしてくれた。さすがでした」と宮本氏に改めて感謝しながらも、「しょうがないですけど、短くないですか? 代表が集まる期間が……」とチーム作りの問題点を指摘する。


 その言葉を受けた宮本氏は、星野ジャパンを「寄せ集めのチームだった」と認めながら、今回の稲葉ジャパンのメンバーを見て「稲葉監督の下でチームを作ってきているから、今年の調子の良し悪しじゃなくて、プレミア12のメンバーが中心。俺らの時とはちょっと違う」と分析する。森野氏も「国際大会を経験している人が選ばれている」と評価。当時のチームを「キャプテンとしては難しかった」と明かした宮本氏は、それと比較して「今のチームはずっと全日本に入っていた選手が中心だから、楽かなと思う」と笑顔で分析した。チームの一体感に、北京と東京の違いを垣間見ている。


 また、宮本氏はチームの年齢編成にも言及。04年のアテネ五輪が「30歳前後が集まった」とした上で、「北京の時は20歳過ぎから俺(当時37歳)より上もいた。矢野(輝弘、当時39歳)さんがいた。そういうところのバランスも難しい」と振り返る。その上で今回の東京五輪のメンバーを見ると、最年長が田中(楽天)、大野雄大(中日)、坂本勇人(巨人)、柳田悠岐(ソフトバンク)の「88年組」世代が4人。最年少として、投手では平良海馬(西武)、野手では村上宗隆(ヤクルト)の21歳が2人選ばれているが、20代後半が9人。指摘通り、チーム全体に世代間のギャップはほぼ感じない。

ベースボール・タイムズ
ベースボール・タイムズ

プロ野球の”いま”を伝える野球専門誌。年4回『季刊ベースボール・タイムズ』を発行し、現在は『vol.41 2019冬号』が絶賛発売中。毎年2月に増刊号として発行される選手名鑑『プロ野球プレイヤーズファイル』も好評。今年もさらにスケールアップした内容で発行を予定している。

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