【YouTube企画】星野ジャパン同窓会 ―北京の記憶―

「北京戦士」が語る、五輪の記憶と重み 星野ジャパン同窓会・野手編(1)

ベースボール・タイムズ

五輪特有の「日の丸の重み」

北京五輪の準決勝・韓国戦。痛恨のミスを犯して涙を流すG.G.佐藤(左)と肩に手を回して慰める森野将彦(右)。G.G.佐藤にとっては“日の丸の重み”を感じる大会となった 【写真:YUTAKA/アフロスポーツ】

 3氏はその後、他国の分析の中で「初戦の重み」についてトークを展開。さらに「日の丸の重み」についても語り合った。

 日本代表のユニフォームを着た時のことを振り返り、「大丈夫かな? というのはありましたね。なんか(体が)フワフワしているというか、しっくり来ないというか。そういう精神的な部分では、不安の方が大きかった」と明かした森野氏。北京五輪の初戦・キューバ戦は「何やってるか分からなかったですね、正直…」と振り返り、「ナイターだったからすごい暗いイメージがある」、「照明が日本と違って、レフトフライが飛んできたんですけど、落とし気味になりましたね」と苦笑い。これについては「良かった、落とし“気味”で」と宮本氏。「落としたヤツ、そこにいるよ」と、準決勝・韓国戦で痛恨の落球を犯したG.G.佐藤氏をイジった。それでも森野氏が「外野は怖かった」と語るように、雰囲気、照明の暗さ、日光の入り方、グラウンドの芝生など、普段とは異なる球場でプレーする難しさを指摘。その意味では今回、日本の球場が舞台(初戦は福島あづま球場、2戦目以降は横浜スタジアムで開催)であることも、金メダルへの大きなプラス材料となるはずだ。

 そして、「五輪の重みって何なのかを最近よく考える」と問いかけたG.G.佐藤氏。社会人野球も経験して「五輪=アマチュア」の時代を知っている宮本氏は、「プロで行く以上勝たないといけない」と語気を強めた上で、「五輪を目指して社会人野球に残った選手もいる。その人たちが納得できる姿を見せないといけないというのが、野球の場合はすごくプラスされて、重みが出るんじゃないかなと思う」と語った。

WBCとの違いと星野監督

北京五輪の日本代表チームを率いた星野仙一監督。多くの選手を育てた「情」が、北京五輪では「裏目に出た」形になった。果たして稲葉篤紀監督は、どのような采配も展開するのだろうか 【写真:アフロスポーツ】

 この「日の丸の重み」を感じながらの戦いはWBCも同じだが、04年3位、08年4位だった五輪に対して、WBCは06年、09年と連覇を果たし、結果が大きく異なっている。

 その理由について「プロの大会とアマチュアの大会というものがハッキリしている」と宮本氏。チームの人数、スタッフの人数、移動の手段、球場の素晴らしさなどを挙げ、「WBCはいつもよりも良い環境で臨める。五輪はいつもと違う環境に順応できないと厳しい」と指摘した。

 さらに話はチームを指揮した星野監督へ。中日監督時代を知る森野氏は、北京五輪の際の星野監督について「だいぶ気を遣われていた。星野さんが選手に。(中日監督時とは)全く違いましたね」と思い返す。選手の起用法に関して「(ミスをした選手を)星野さんは絶対に使う」と宮本氏が話せば、「使いますね。取り返してくれるんじゃないかと」と森野氏も語る。実際に準決勝・韓国戦で敗戦に繋がるミスを犯しながらも、続く3位決定戦・アメリカ戦でも先発起用されたG.G.佐藤氏は、「教えてよ、ちゃんと、それを」と訴えたが、森野氏は「声かけられないじゃん! あのエラーの後は…」と苦笑い。「情がすごく出た」と宮本氏。「G.G.に対しては、それが裏目に出ましたね」と森野氏。G.G.佐藤氏は「頼むから使わないでくれって思いましたもん」と改めて懺悔していた。

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著者プロフィール

プロ野球の”いま”を伝える野球専門誌。年4回『季刊ベースボール・タイムズ』を発行し、現在は『vol.41 2019冬号』が絶賛発売中。毎年2月に増刊号として発行される選手名鑑『プロ野球プレイヤーズファイル』も好評。今年もさらにスケールアップした内容で発行を予定している。

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