DeNAオリジナル醸造ビール誕生の裏側 担当者が憧れたドルトムントの「黄色い壁」
球団球場一体化によって球団が主導できる形になったため、飲食改革第一弾として球界初のオリジナル醸造ビールの販売に着手していた 【横浜DeNAベイスターズ】
仕事上のつきあいでたまたま? それともプライベートで飲み過ぎた? いやいや違います。ビールをしこたま飲まなければならない理由があったのだ。
球団球場一体化がスタートした2016年シーズン。元来、スタジアムの飲食はフェンスなどスタジアム内の広告と並び、横浜スタジアムの重要な収入源であった。つまり球団がタッチできない領域。しかしそれが一体化によって球団が主導できる形になったため、飲食改革第一弾として球界初のオリジナル醸造ビールの販売に着手していた。MD (マーチャンダイジング)部部長になった野田が、その責任者となっていた。連日の試飲が続いていた。
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シーズン開幕に何とか間に合わせた。
その名も「BAYSTARS ALE」。上面発酵製法を用い、15℃から20℃で発酵させるエールビールで、フルーティーな味が特徴だ。アルコール度数を抑え、柑橘系の香りの希少ホップを加えることで女性も楽しめる味にしている。
チェコ最大のビール審査会で金賞を受賞した地元・関内のクラフトビールブランド「横浜ベイブルーイング」に依頼。飲食企業への勤務経験もある野田は試飲して味を確認しては、微調整の相談を繰り返してきた。
「最初はもの珍しいからといって一杯は飲んでくれると思うんです。でもリピートしてもらわないと意味がないし、美味しくなければ名物にもならない。BAYSTARS ALEは香りの高い、凄く希少なホップを使って、とことんこだわりましたよ」
スタジアム直営売店で販売を開始すると、クラフトビールブームにも乗っ掛って飛ぶように売れていく。狭いスタジアム内にビール樽の冷蔵保管という問題も、一体経営となったことでクリアできた。
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