三河・コリンズワースが生かす異色の経歴 B初の4戦連続トリプルダブルで月間MVP
Bリーグ屈指の万能PGが4・5月の月間MVPに輝いた 【(C)B.LEAGUE】
29歳のコリンズワースは2017-18シーズンにNBAダラス・マーベリックスでプレーした経験を持つポイントガード(PG)で、2020年秋から三河でプレーしている。
彼は4月24日の島根スサノオマジック戦からBリーグ史上初の4試合連続トリプルダブルを記録するなど、シーズンの大詰めでセンセーショナルな活躍を見せた。198センチ・95キロとNBAの基準で見ても大型なPGで、攻守とも万能。パス、ゲームコントロールのような司令塔らしい強みを持ちつつ、リバウンドの強さも持つユニークなプレイヤーだ。
今季の三河はチャンピオンシップ(CS)こそクォーターファイナルで千葉ジェッツに惜敗したものの、3シーズンぶりのCS出場を成し遂げた。コリンズワースはリーダーとして、そんなチームの再生にも貢献した。今回はそんな彼に自身のスキルや異文化との向き合い方など、興味深いストーリーを語ってもらっている。
(※トリプルダブル:得点、リバウンド、アシスト、スティール、ブロックショットの5項目中3つ=tripleで2桁=doubleのスタッツを記録すること。得点、リバウンド、アシストで達成される場合が多く、コリンズワースもその3項目で二桁を記録した)
もちろんとても嬉しいです。月間MVPの表彰があると聞いたとき、自分も狙いたいという気持ちになって、一つの目標にしていました。月間MVP受賞も嬉しいですし、シーズン終盤にチームがいいプレーをできていたことも嬉しいです。
――三河は過去2シーズンに比べて大きく成績を伸ばし、34勝21敗の西地区3位でレギュラーシーズンを終えました。
個人的にも三河に入ったときから、このチームを前のシーズンより強くしたいと意気込んでいました。シーズン中にはコロナの影響があって、けが人もかなり出てしまいましたが、一つの目標だったチャンピオンシップ出場を果たせました。それはすごく良かったです。チャンピオンシップでもいい戦いが……、特に千葉ジェッツとの2戦目ではできました。
このチームにはオフェンスの武器が沢山あります。得点力の高い金丸晃輔選手、ダバンテ・ガードナー選手がいますし、シェーファー アヴィ幸樹選手と自分も得点を取れるタイプです。得点の取り方にいろんなオプションがあり、たくさんの組み合わせができるチームです。
――オプションを使いこなす楽しさ、難しさが両方あると思います。そこはいかがですか?
オフェンスのオプションが沢山あったので、機能しているときはいい試合ができて、実際にBリーグのトップクラブから勝利を挙げています。でも負けてはいけない場面で負けた試合もありました。良いときはすごく良いけれど、良くないときはタフな状態になってしまう。そういうシーズンだったと感じています。
――オフェンスの安定感はチームとして今後への課題ですか?
もちろんオフェンスの安定感も必要だと思いますが、それよりディフェンス(DF)をレベルアップさせる必要があります。シュートが入っていないときこそ、DFで踏ん張るべきです。この間、宇都宮と川崎のセミファイナルがありましたよね。宇都宮は(5月21日の)第1戦であまりシュートを(高い確率で)決められなかったにもかかわらず、タフなDFで相手を抑えて勝っていました。
まずDF面でいろんな相手に対応できることが強みだと考えています。千葉とのチャンピオンシップでは、1番(PG)から4番(PF)までいろんなポジションの選手とマッチアップをしました。セバスチャン・サイズとマッチアップする時間もありました。そんなプレーでDFの強みを証明できたと思います。もう一つはリバウンドのスキルですね。
――BリーグはNBAに比べて試合時間も短いですし、ほとんどトリプルダブルが出ないリーグです。そんな中でコリンズワース選手は史上初の4試合連続トリプルダブルを達成しました。なぜこのような記録を出せたのですか?
PGにもかかわらずリバウンドが取れるのは大きいですよね。まずマインドセットが大事で、一つ一つのポゼッションを大切にしてプレーしています。自分がオフェンスリバウンドを取れば、(相手もゴール下へ競り合いに来ている中で)ノーマークの味方にパスができて、いいシュートにつながります。DFリバウンドを取れば、すぐ自分が速攻の先頭に立ってボールプッシュやシュート、クリエイトをできます。