バイエルン移籍を決めた熊谷紗希の野望「古巣リヨンを倒してUWCLの頂点に」

早草紀子

バイエルンでは私の経験が必要とされる

8年間在籍したリヨンを離れ、来季からバイエルンでプレーする。「ポテンシャルがとても高いチーム」と、熊谷は新天地での挑戦に思いを馳せる 【Getty Images】

――そのリヨンを今季限りで退団することを公表され、来季からのバイエルン・ミュンヘン移籍が発表されました。その決断について教えてください。

(昨年に開催されるはずだった)東京五輪が終わった後、もう1年だけリヨンにいようと決めて、去年契約延長にサインしました。正直、このままリヨンでプレーを続けて、ここで引退するのも素敵だなって、考えなかったわけじゃありません。でも、直感かな。今がここを出て行く時だって、そう思ったんです。年齢的にも、所属チームを変えるならこれがラストチャンスかもしれない。リヨンを離れる決断は簡単ではなかったですが、今は自分が出した結論を、すごくポジティブに捉えています。

――これから向かう新天地では、どのような目標を掲げるつもりですか?

 リヨンを倒して、UWCLのタイトルを獲る! それが一番の目標です。成長した姿を見せて、「あ〜、もったいない選手を手放してしまったな」って、そう思わせられるように頑張りたいですね。

――具体的には、どんなプレーを?

 バイエルンは、リヨンのようなタレント集団ではありませんが、今年のUWCLでも準決勝に進出していますし、ポテンシャルはとても高いチームだと感じています。私の経験が必要とされることも多いでしょう。もちろん、これから急に足が速くなるわけでも、ドリブルで敵をまとめて抜けるようになるわけでもないので(笑)、自分に何を求められているのかをしっかり理解した上で、チームの力になれればと思っています。自分自身も今回のチャレンジにやりがいを感じていますし、すごく楽しみにしています。

【早草紀子】

熊谷紗希(くまがい・さき)
1990年10月17日生まれ、北海道出身。常盤木学園高で全日本女子ユース3連覇を果たし、2009年に浦和レッドダイヤモンズ・レディースに加入。1年目から主にボランチとして全試合に出場し、リーグ優勝に貢献する。11年にドイツのフランクフルト、13年にフランスの強豪リヨンへ移籍。15-16シーズンのUWCLではリヨンの4シーズンぶり3度目の優勝に尽力。このシーズンは国内リーグと国内カップ戦も制し、3冠を達成する。以降、UWCLは19-20シーズンまで5連覇を成し遂げたが、今季限りでリヨンを退団。来季からのバイエルン・ミュンヘン移籍を発表した。日本代表には高校時代の08年3月に初選出。11年のFIFA女子W杯では、センターバックのレギュラーとして全試合にフル出場し、チームを初の世界王者へと導いた。翌年のロンドン五輪では銀メダルを獲得。高倉体制となった17年から、なでしこジャパンの主将を務める。173センチ・62キロ。

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著者プロフィール

東京工芸短大写真技術科卒業。1993年よりJリーグ撮影を開始。1996年から日本女子サッカーリーグのオフィシャルカメラマンとなる。以降、サッカー専門誌で培った経験を武器に、サッカー撮影にどっぷり浸かる。現在はJリーグ・大宮アルディージャのオフィシャルフォトブラファーであり、日本サッカー協会オフィシャルウェブサイトでは女子サッカー連載コラムを担当している

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