WEリーグ始動で女子サッカーが変わる 本命は浦和、新規参入の大宮Vにも注目

青柳舞子

大宮Vの総監督に就任したのは、あの……

長らくなでしこジャパンの中盤に君臨してきた阪口夢穂も、東京NBから大宮Vへと新天地を求めた(写真は東京NB時代のもの) 【(c)J.LEAGUE】

 新しいチームにも目を移そう。

 新規参入する大宮Vは、充実の補強をしている。11年女子W杯で「なでしこジャパン」を世界一に導いた佐々木則夫氏がトータルアドバイザー兼総監督に、優勝メンバーだった大野忍氏がコーチに着任。さらに、MF阪口夢穂(東京NB→大宮V)、MF仲田歩夢(I神戸→大宮V)らを獲得した。即戦力が集う一方で、どのようなチームになるのか未知数の部分も多く、その戦いに注目が集まる。

 昨年まではマイナビベガルタ仙台レディースとして活動していたマイ仙台は、11年の東日本大震災から10年目の節目となる今年、クラブ名を改めて「WEリーグ」に参戦する。新監督にはかつて日テレ・ベレーザやI神戸を率いた松田岳夫氏が就任。守備が固く、パワフルなサッカーを見せるチームに進化しており、勢いを感じさせる。東北の想いを背負うマイ仙台は、台風の目になりそうな雰囲気だ。

 もちろん、この他のチームもカラーやコンセプトをしっかりと持ち、強化に取り組んでいる。そうした各チームの強化の進捗度や新たなスタイルを、「WEリーグ」開幕に先駆けて垣間見られるチャンスがある。

 それが4月24日から始まった「WEリーグ」のプレシーズンマッチだ。

「WEリーグ」は秋春制のため、9月の開幕までのリーグ移行期間となる4〜6月に、各チームがホーム&アウェーで2試合ずつ計4試合を戦うプレシーズンマッチが開催される。コロナ禍にあって、スタジアムでの観戦には制限があり、リモートマッチもあるが、一部の試合ではライブ配信や録画配信なども用意された。

 順位付けがされるわけではなく、だから、タイトルは懸かっていないが、現在のチーム状況を確認する機会であり、新しいチームのお披露目の場でもあるプレシーズンマッチは、注目カードも多く組まれている。

 例えば、5月8日の大宮V対S広島Rの新チーム対決や5月22日のI神戸対浦和の「WEリーグ」優勝候補同士の対戦は、リーグを占ううえで見逃せない。さらに6月5日、マイ仙台対東京NBも好ゲームを予感させる。

わたしたちみんなが主人公

20年10月には岡島喜久子チェアによって「WEリーグ」に参戦する11チームが発表された 【(c)J.LEAGUE】

 ただし、もちろん、まだまだプレシーズン。この戦いがすべてではなく、ここで手にした課題と収穫を持ち帰り、9月の開幕に向けて各チームはさらにギアを上げていくことになる。だからこそ今、試合を見てほしい。現段階でのチーム状況を見ておくことで、開幕時に変化や進化が分かり、リーグ戦をより一層楽しめるだろう。

 何より、プレシーズンマッチは、プロリーグの始まりを告げるもの。選手たちが生き生きと戦う姿も目にできる。そして、そこには、いつの時代も変わらない女子サッカーの魅力がある。

 スタジアムに空席が目立ったときも、なでしこブームに沸いたときも、選手たちはいつも変わらずサッカーと向き合い、真摯(しんし)にひたむきにプレーを続けてきた。勝ちたいという気持ちやもっとうまくなりたいという純粋な想いが、ピッチの上で交差する。それは、日本女子サッカーが誇る伝統であり、プロになっても変わることのない礎なのだ。

 それから、もう一つ。

「WEリーグ」の名称には、『リーグを核に関わるわたしたちみんな(WE)が主人公として活躍する社会を目指す』という思いが込められている。この“WE”の中には、選手もスタッフも、ファン・サポーターも新たに女子サッカーを目にする人々も……“わたしたちみんな”が存在する。

 2021年9月。日本初の女子プロサッカーリーグ“WEリーグ”開幕。

 全世界が暗闇に包まれている中で産声をあげる女子プロサッカーリーグは、“わたしたちみんな”がつくりあげていく新時代のプロリーグ。だからこそ、その成長を見守り“わたしたちみんな”で育てていく楽しみが、待っている。

(企画構成:YOJI-GEN)

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