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「スポ止め」×室伏スポーツ庁長官
スポーツ界が抱える課題の解決へ

「1252プロジェクト」のテーマは生理

室伏長官と伊藤華英理事(左)は女性アスリートが抱える問題について意見交換を行った
室伏長官と伊藤華英理事(左)は女性アスリートが抱える問題について意見交換を行った【スポーツナビ】

伊藤 1年52週間のうち、12週間が月経期間という意味です。それにプラスして月経前、月経後の症状もありますが、皆さんに大体わかってもらえるようにこの名前にしました。テーマはスポーツにおける生理です。月経問題は女子アスリートとして必ずありますし、私も現役時代に大変苦労しました。


室伏長官 男性コーチにはなかなか分からないことですね。


伊藤 知らないよりは知っていた方が良いかなという感覚で、男性指導者にも知ってもらいたい。「知っているぞ。どうだ?」でなく、女子学生が悩んでいるときに少しでも寄り添ってくれる形がいいですね。


 女子学生のアスリートも、自分がどういう症状でそうなっているのかを知っておくべきです。トップアスリートになればなるほど、メンタルとの向き合いもあります。女性って我慢するものじゃないんだよ、ということをぜひ知ってもらいたいですね。ピルの使用率もとても低いのが現状です。ピルを使用すればいいという問題ではないですけど、そういう選択肢も持てます。


室伏長官 コントロールしてね。


伊藤 試合のような大きなチャンスがあったとしても、生理があることでなかなか調整が難しい。コミュニケーションツールとして医師の先生、指導者の先生、女子学生アスリートが一緒に話す機会を作っていきたいと思っています。私も月経期間が終わった瞬間から身体が軽くなったので。


室伏長官 試合にピッタリ合わそうとしても、なかなかできませんね。


伊藤 試合は待ってくれません。


室伏長官 女性は自然のリズムの中でやっていて、男性とは全く違う。女性アスリートの調整について理解が乏しい、男性から見たトレーニングが多いですからね。


伊藤 お互いが相談できる、話し合える関係性も必要になってきます。


室伏長官 いつトレーニングを追い込んでできるのか(判断が難しい)。男性コーチから聞きづらかったりもします。女性アスリートの環境が良くなるのは大切なことです。


最上 女子アスリートが自分らしく競技できる環境のサポートを、情報発信を丁寧にやりながらやっていくイメージです。


スポーツ庁・坂本参事官補佐 1252プロジェクトはすごく大事だと思っています。具体的な取り組みとして、啓発の意味でセミナーを開催することもあるんですか?


伊藤 課題をまず明らかにしたいというところがあります。女子アスリートに対する実態調査をやらなければいけないと考えています。どれだけ課題があるのか、どれだけ困っているかを知ることが必要です。トップアスリートの対談など、体験談コンテンツも用意したいです。いつ頃、どういうふうにと掘り下げて聞いていきたいと思っています。


 あとはドクター、産婦人科の先生たちと協力しながら、女子の学生アスリート、男性も含めた指導者、どういうことが必要なのかをコンテンツとして発信していきたい。そのような中で部活動とか学校単位の、セミナーをできたらなと思っています。優先順位はつけるとまず実態調査です。どうやるのが効率的で効果的なのか、今考えている最中です。


最上 トップアスリートのデータは、先生が調べてらっしゃるものがあります。でも女子アスリートとなると、情報が少ない現状があります。聞きにくい部分もあって、調査会社に女子アスリートというパネルがあるかというとない。なので、どう調べていくかも含めてやって、手探りでいかなければいけないなと、僕らも課題感を持ってやっています。

「大会が選手に合わせる」スポ止めカップ

スポーツ界の課題解決に向け、スポーツ庁も「スポ止め」の活動に期待している
スポーツ界の課題解決に向け、スポーツ庁も「スポ止め」の活動に期待している【スポーツナビ】

野澤 スポ止めカップというものを、さまざまな競技でやらせてもらっています。試合ができる日が大会というコンセプトです。今は「大会に選手が合わせていく」ようになっていますが、コロナ禍もあって「大会が選手に合わせる」時代が来てもいいのかなという発想です。


最上 2月3月に「スポ止めカップ」を準備しています。コロナで「いつ大会があるか?」というモチベーションを作り難い一方で、練習試合はやっている。その練習試合を公式っぽくしてあげるのが、僕らのやれることかなと思っています。


 例えば2月の終わりに北海道の十勝で、スピードスケートの記録会をお手伝いしました。全中などさまざまな大会がなくなりましたが、十勝はスピードスケートどころで、皆さんのモチベーションが高い。スピードスケートの記録会をやるなら、僕らがオンライン配信をして、我々のサイトで「誰が何秒」と記録を残そうと考えました。スケート連盟さんが入れるような公式の記録ではないですけど、それが残るということにモチベーションをもってもらえます。そういうテストをしております。


 実はフェンシングでも愛知でやるアンダーカテゴリーの大会の記録を、我々のサイトで配信して残しています。ご縁をいただいて3月20日には静岡でエコパのグラウンドを使い、ラグビーの大会をやります。試合がなくなっていた子たちに試合をやってもらって、それを配信して出場の記録も残します。テストをして色んな方のご協力をいただけるようなら、本格的に踏み込んでいきたいと考えています。

大島和人
大島和人

1976年に神奈川県で出生し、育ちは埼玉。現在は東京都町田市に在住する。早稲田大在学中にテレビ局のリサーチャーとしてスポーツ報道の現場に足を踏み入れ、世界中のスポーツと接する機会を得た。卒業後は損害保険会社、調査会社などの勤務を経て、2010年からライター活動を開始。バスケットボールやサッカー、野球、ラグビー、バレーなどの現場にも小まめに足を運び、試合観戦数は毎年300試合を超える。日本を実はサッカーだけでなくバスケ強国であるスペイン、バレー王国・ブラジルのような球技大国にすることが一生の夢で、“球技ライター”を自称している。

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