昨季“個人賞三冠”の藤井祐眞が月間MVP 迷うベストゲーム、ベストショットは即答

大島和人

横浜戦のゲームウィナーショットは「プロで初めて」

ファンの声援が力になると語った。Bリーグ史上初のCSと天皇杯の2冠を狙う 【スポーツナビ】

――2月の8試合を振り返って、藤井選手のベストゲームはどの試合ですか?

 ベストゲーム……。2月はどこがありましたっけ?

――最初は千葉戦で、三河戦、新潟戦、北海道戦、横浜戦です。

 えー、どこだろう。難しいですね……(沈黙)

――(画面に各試合の結果/スタッツを映し出す)

(2月3日の67-77で敗れた)千葉戦以外は頑張ったんですね(笑)。なかなかいいスタッツ残していますね。パーセンテージも高いし、平均で結構点を取っている。

――月間MVPですから!

 点数だけ見ると三河、北海道……。こんな取っていたんですね。ベストショットは間違いなく横浜戦ですけど。

――2月28日の試合で、終了間際に勝ち越しの得点を決めています。

 生原(秀将)が残り4秒で決めて同点にされて、残り0.7秒で僕が決めたんです。

――タイムアウト明けで、藤井選手が打つコールだったんですか?

 僕が打つ流れでしたね。もしディフェンスに読まれた場合は別の選択肢もあったんですけど、ボールが入るなと思って僕がポストでもらいました。ローポストの1on1から、フェイドアウェイで決めました。

――ブザービーターや今回のようなゲームウィナーを決めるシュートは今までもありましたか?

 クォーター終わりのブザービーターは結構ありますけど、「これを決めたら勝ち」みたいなシュートはプロで初めてです。
――川崎を外から見ている人間にとって「篠山選手と藤井選手のどちらが先発で出ているか」はかなり気になります。2月は8試合中7試合、天皇杯も準決勝と決勝は先発されていましたが、藤井選手ご自身は先発に対する意識ってありますか?

 個人的には何も意識していないですね。どっちでもいいといえば、どっちでもいいです。スタートのときはゲームプランをまず遂行するために入ります。コーチ陣がスカウティングをしてくれているので、どこを攻めてどこを守ると頭に入れながらやっていますね。

 控えで出るときはゲームの流れを考えながら、いいときは成功しているプレーをどんどんやる。流れが悪いときは「このプレーを使えるのでは?」という要素を加えています。

 アドバンテージがあるところを狙いすぎて、逆に重くなってしまうことが結構あるんです。重たくなって点数が止まる状況もあるので、そうならないように出だしからプッシュする、ボールラインを一回下げていい形でスムーズに……というイメージでやっています。

――レギュラーシーズンの約4分の3が終わり、2020-21シーズンもいよいよ大詰めです。東地区の順位(※3月16日時点)を見ると川崎の上に宇都宮、千葉がいて、下も僅差で渋谷や富山、A東京がいます。チャンピオンシップに向けた展望はいかがですか?

 東地区3位で、ワイルドカード争いのチームとも差がほとんどありません。負けが続いたらチャンピオンシップに出られない位置です。でもまずは地区優勝を目指してやりたいですね。千葉と3.5ゲーム差、宇都宮と5.5ゲーム差ですけど、どちらも直接対決が残っている。それまでにできるだけ追いつけるようにしていきたいです。

――川崎のファンにメッセージをお願いします。

 まずひとつの目標である天皇杯優勝を達成できました。声は出せなくても会場を赤く染めてくれて、それが力になりました。Bリーグ初年度のファイナルは7、8割が黄色に染まったアウェーみたいな環境でやりましたが、今回は五分五分でした。クラブとしてファンの皆さんと一緒に成長できているなと感じています。リーグ戦、チャンピオンシップを含め、皆さんの声援が力になるので、応援をよろしくお願いします。

――最後にBリーグのファン全体へのメッセージをお願いします。

 今シーズンはこのような状況の中、会場で声も出せない状況ですけど、それでも来ていただけることは僕たちの力になります。皆さんのおかげで、僕たちもこうしてプレーできている。これからも元気や勇気を皆さんへ届けられるように、頑張っていきたいと思います。

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著者プロフィール

1976年に神奈川県で出生し、育ちは埼玉。現在は東京都北区に在住する。早稲田大在学中にテレビ局のリサーチャーとしてスポーツ報道の現場に足を踏み入れ、世界中のスポーツと接する機会を得た。卒業後は損害保険会社、調査会社などの勤務を経て、2010年からライター活動を開始。取材対象はバスケットボールやサッカー、野球、ラグビー、ハンドボールと幅広い。2021年1月『B.LEAGUE誕生 日本スポーツビジネス秘史』を上梓。

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