バイエルン、CL全勝優勝の軌跡 11試合43ゴールの圧倒的な攻撃力
決勝トーナメントでの大勝
決勝トーナメント初戦は2戦合計7-1と大差でチェルシーを退けた 【Getty Images】
決勝トーナメントの初戦の相手はチェルシーになったが、要塞(ようさい)スタンフォードブリッジで迎えた1stレグのアウェーゲームでも、バイエルンはなんと3-0で快勝する。チェルシーのフランク・ランパード監督は1stレグの敗戦後のコメントで、「厳しいレッスンとなった」と完敗を認めバイエルンを称賛するコメントを残していた。
その後5カ月以上の中断を挟んで行われたホームの2ndレグでも隙を見せることなく4-1で勝利し、終わってみれば2戦合計7-1と大差でチェルシーを退けた。
そして前述の通り、準々決勝からは変則ルールで中立地ポルトガルでの1発勝負が採用されることになった。準々決勝の対バルセロナ戦でこのドイツ王者は世界中を驚かせることとなる。
この試合は、開始直後の前半4分にFWトーマス・ミュラーがゴールを決めバイエルンが早々に先制することに成功する展開となった。しかし、直後にDFダビド・アラバのオウンゴールでバルセロナに同点に追い付かれてしまう。
しかし、ここからバイエルンが底力を見せる。同点後にいくつか迎えたピンチをしのぐと、前半21分にクロアチア代表FWイヴァン・ペリシッチが決めた勝ち越しゴールを皮切りに、バイエルンが3ゴールを立て続けに沈め、前半だけで4-1と試合をおおかた決めてしまったのだ。
そのまま後半もバイエルンは手を緩めずに追加点を重ね、最後は途中出場したブラジル代表MFフィリペ・コウチーニョが所属元へダメ押しの2ゴールを連続で決めたところで試合終了となった。結果的にバイエルンが8-2という歴史的なスコアで圧勝し、バルセロナのプライドを引き裂く圧倒的な強さを見せつける結末となった。間違いなくこの試合が今季のCLでのバイエルンの強さを象徴した試合と言えるだろう。
なお、チャンピオンズリーグ公式Twitterがその全ゴールを公開している。
その後の結果は、皆さんご存じの通りだ。リヨンを相手に3-0、PSGに1-0で勝利して見事優勝。最終的に11試合43ゴールという攻撃力を見せつけての優勝となった。これほどの攻撃力を欧州の舞台で発揮したクラブはまれであり、歴史に残るチームとなったことは間違いない。OBのフランク・リベリーも、「優勝に値するチームだった。ハンス(=ディーター・フリック)は素晴らしい仕事をした、すごい人間でありコーチだ。偉業だ」と絶賛している。
最高の状態に仕上げたバイエルンの監督、スタッフ、選手の皆には敬意を表したい。