シティとともに歩み、成長し続けた10年 魔術師ダビド・シルバの功績を振り返る

エルゴラッソ

10年分の思いと仲間からの言葉

 そんなシルバは、10年間で公式戦通算436試合に出場し、77ゴール140アシストという偉大な記録を残した。残念ながら無観客で開催されたチャンピオンズリーグ決勝トーナメント準々決勝、リヨン戦での敗戦がシティでの最後の試合となってしまったが、現在の情勢でなければ間違いなく満員のエティハドスタジアムでサポーターから惜しみない拍手が送られていたことだろう。加入当時は中位をさまよっていたシティを欧州屈指のクラブへと成長させ、多くの栄光をもたらしたレジェンドに対して多くのチームメートが別れを惜しむメッセージを送っている。

 シルバとともに長い間シティを先頭で引っ張ってきたアルゼンチン代表FWセルヒオ・アグエロは、自身のTwitterで「僕たちは毎日君から多くを学んだ。君と多くの喜びを共有できたことを光栄に思う。永遠にありがとう」と別れを述べている。

 今季、リーグ記録タイとなる20アシストを記録しプレミアリーグの年間MVPを受賞するなど現在のシティの中心であるベルギー代表MFケヴィン・デ・ブライネも自身のTwitterで「信じられない10年間を過ごした君がクラブを去るのを見るのは悲しい。一緒にプレーすることは光栄だった。今後の幸運を祈っているよ」とエールを送っている。

 シティは公式Twitterで「ともに勝ち獲った数々のタイトル、エティハドにかけた魔法を忘れない。クラブ史上最高の選手に盛大な拍手を」と長年クラブの中盤を支えてきた偉大な魔術師へ感謝の気持ちを送っている。

 シルバ自身もTwitterで、「私の人生とキャリアに素晴らしい思い出をくれたこのクラブに別れを告げる時がきた。振り返ると2010年にマンチェスター・シティのプロジェクトへ参加する提案を受け入れたのは最高の決断だった。私はシティとともに成長してきた。この10年でプロとして、そして人として成長することができた。多くの勝利とタイトルを祝い、素晴らしい時間を過ごした。

 愛する息子のマテオが生まれ、激しい雨でさえ居心地よく感じるようになった。シティは素晴らしい家族だ。人生において最も辛く、苦しかった時に皆が支えてくれたことは決して忘れないだろう。何よりスカイブルーのシャツとキャプテンマークを身にまとい、世界最高の選手と監督、そして幹部たちの近くでプレーができて本当に幸せだった。

 その上、いい時も悪い時も素晴らしいファンがいつも支えてくれた。全員が本当に素晴らしかった。シティが今後さらに大きな成功を成しとげることを遠くから願っています。この忘れられない時間をシティファミリーのみんなと分かち合うことができて本当に嬉しかった。シティに関わった皆はいつも私の心の中にいます。シチズンの皆に大きなハグを
」と長文で感謝のメッセージをつづっている。



 シティはそんなシルバの長年のクラブへの功績をたたえ、本拠地に銅像を建てることを発表した。こうしてシルバはシティのレジェンドとして惜しみないリスペクトとともにプレミアの舞台を去ることとなった。しかし彼のキャリアはまだ終わらない。来シーズンからは母国スペインでも、サッカーファンが酔いしれるプレーを見せてくれることに期待したい。

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著者プロフィール

サッカー新聞エル・ゴラッソ。通称エルゴラ。国内外の最新サッカーニュースを日本代表の番記者、J1・J2全40クラブの番記者、海外在住記者が、独自の現地取材をもとに、いち早くお届けします。

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