693日ぶりにマウンドへ戻ってきた大谷 大乱調は必要不可欠な「成長痛」
1アウトも取れず無念の降板
30球を投げて3安打、5失点(自責点5)、3四球。1アウトも取れず降板した大谷 【Getty Images】
ところが、2球目の真ん中真っすぐをセンターへ弾き返されると、二人目のラモン・ラウレアーノに対してはボールがことごとく内角へ抜け、ストライクが入らない。三人目のマット・チャプマンの打席からはボールが両サイドにぶれ、連続四球で無死満塁。4番のマット・オルソンにはストレートの押し出し。コースを突いて外れているのではなく、最初からストライクとボールがはっきりしていた。
ここでマウンドへ行ったミッキー・キャラウェイ投手コーチからは、真っすぐに配球が偏っており、それでストライクを取れずリズムを崩していたことから、変化球をもう少し投げるよう指示を受け、5番のマーク・キャンハは、初球の真っすぐが外れた後、スライダーで追い込んだが、最後はフルカウントからの9球目――外角の見逃せばボールというフォーシームをハードヒットされ、2点タイムリーを許す。
そして、この日対戦した最後の打者となったロビー・グロスマンにはフォークを捉えられた。過去、191球を投じ、55打数2安打、被打率.036だった絶対的な球種でさえキレを欠き、打球が一、二塁間を抜けていくと、ジョー・マドン監督が一塁側のブルペンを指差しながら、ダグアウトを出た。
1イニングを投げて30球ちょうど。0/3、3安打、5失点(自責点5)、3四球が、693日ぶりの登板で残った数字のすべてだった。
小さくなかったブランク
「やっぱりゲーム勘というか、バッターを抑えにいくという気持ちよりも、球を投げることに集中していた感じ」
打者ではなく、自分自身と戦っていた。
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