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693日ぶりにマウンドへ戻ってきた大谷
大乱調は必要不可欠な「成長痛」

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1アウトも取れず無念の降板

30球を投げて3安打、5失点(自責点5)、3四球。1アウトも取れず降板した大谷
30球を投げて3安打、5失点(自責点5)、3四球。1アウトも取れず降板した大谷【Getty Images】

 午後1時25分(現地時間)、大谷翔平(エンゼルス)が、マーカス・セミエンに対し、第1球を投じる。92.5マイル(約149キロ)のフォーシームが真ん中低めに決まり、球速が平均より4マイルほど遅いことを除けば、まずまずのボールだった。


 ところが、2球目の真ん中真っすぐをセンターへ弾き返されると、二人目のラモン・ラウレアーノに対してはボールがことごとく内角へ抜け、ストライクが入らない。三人目のマット・チャプマンの打席からはボールが両サイドにぶれ、連続四球で無死満塁。4番のマット・オルソンにはストレートの押し出し。コースを突いて外れているのではなく、最初からストライクとボールがはっきりしていた。


 ここでマウンドへ行ったミッキー・キャラウェイ投手コーチからは、真っすぐに配球が偏っており、それでストライクを取れずリズムを崩していたことから、変化球をもう少し投げるよう指示を受け、5番のマーク・キャンハは、初球の真っすぐが外れた後、スライダーで追い込んだが、最後はフルカウントからの9球目――外角の見逃せばボールというフォーシームをハードヒットされ、2点タイムリーを許す。


 そして、この日対戦した最後の打者となったロビー・グロスマンにはフォークを捉えられた。過去、191球を投じ、55打数2安打、被打率.036だった絶対的な球種でさえキレを欠き、打球が一、二塁間を抜けていくと、ジョー・マドン監督が一塁側のブルペンを指差しながら、ダグアウトを出た。


 1イニングを投げて30球ちょうど。0/3、3安打、5失点(自責点5)、3四球が、693日ぶりの登板で残った数字のすべてだった。

小さくなかったブランク

 試合を振り返り、「腕を振り切れていなかった」と大谷。その理由をこう自己分析した。


「やっぱりゲーム勘というか、バッターを抑えにいくという気持ちよりも、球を投げることに集中していた感じ」


 打者ではなく、自分自身と戦っていた。

丹羽政善
丹羽政善

1967年、愛知県生まれ。立教大学経済学部卒業。出版社に勤務の後、95年秋に渡米。インディアナ州立大学スポーツマネージメント学部卒業。シアトルに居を構え、MLB、NBAなど現地のスポーツを精力的に取材し、コラムや記事の配信を行う。3月24日、日本経済新聞出版社より、「イチロー・フィールド」(野球を超えた人生哲学)を上梓する。

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