連載:2020年夏、高校野球逸材たちのいま

主将として晴れ舞台に立つ履正社・関本 前年優勝校の重圧も、堂々と背負う

沢井史
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自粛期間中は自主的に考え、行動することを心掛けていたという関本。4番、主将として昨今の状況をポジティブに捉え、全国制覇チームを引っ張る 【沢井史】

 昨秋の大阪大会・決勝。履正社にとって宿敵である大阪桐蔭を相手に意地でも追いすがろうとしていたが、4点差で迎えた9回裏。1点を返して押せ押せムードの中、起死回生の同点3ランを放ったのが、4番を打つ関本勇輔だった。昨秋は、近畿大会の3試合も含め公式戦全11試合で.476の高打率を残した。4本塁打をマークした長打力もさることながら、やはり光ったのは28もの打点をたたき出した勝負強さ。ただ、本人からすると……。

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長打よりも得点圏打率にこだわる

「もっと打てていたのかもしれないと、今は思っています。あのころは打撃フォームもあまり良くなかったので、フォームを固められていたら、と。冬場はもっと自分に合うフォームを求めてあれこれ変えていました」

 こだわるのは長打よりも得点圏打率だ。4番である以上は両方を追い求めていきたいとも思うが、3番に1年夏からレギュラーの小深田大地や、5番には昨秋の公式戦11試合で.667の驚異的な打率を残した両井大貴など、長距離打者が自分の周囲を固める。「ここぞという時にチームに貢献できるバッティングができるのが理想。ランナーを返すことを意識しています」と、関本は語る。秋から体重が3キロアップしたことで打球の勢いが増したことも自負している。

 野球を始めた頃は主に内野手で、捕手に転向したのは中学になってからだ。持ち前の強肩を生かした矢のような鋭い送球は、高校2年の春頃から密かに注目を集めていた。
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著者プロフィール

大阪市在住。『報知高校野球』をはじめ『ホームラン』『ベースボールマガジン』などに寄稿。西日本、北信越を中心に取材活動を続けている。

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