連載:春のセンバツ キラリと光る球児を探せ!

的確なポジショニングとつなぐ打撃に注目 中京大中京・中山はチームプレーに徹する

沢井史
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冬のトレーニングでさらに下半身の安定感が増した中京大中京・中山礼都。確実性のあるバッティングはもちろん、ヒットをアウトにする的確なポジショニングも見てもらいたい 【沢井史】

 昨秋は公式戦全19試合で63打数24安打、打率.413と中軸らしい数字を残した中京大中京・中山礼都。だが、この数字について中山に尋ねると、「調子が悪かった」とネガティブな言葉をしきりに並べる。

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4番につなぐことが自分の役割

「昨秋は自分が納得のいくヒットがほとんどありませんでした。ベストなヒットを挙げるとしたら、神宮大会の決勝で(3回に)打った三塁打です。思うような当たりが出なかった中で、あのヒットだけが自分の中で心から納得のいく当たりでした」

 理想は低い弾道で外野の間を抜いたり、頭の上を越していく打球だ。

「自分は弾道を上げるタイプではないので、いい角度でスタンドまで届けばもっといいです。でも大きいのを打つというより、ヒットを重ねるタイプ。チャンスでは、自分が決めようではなく後ろに頼れる印出(太一)らがいるので、自分ができるバッティングで(4番の)印出につなげられたらいいと思っています」

 何より特筆すべきなのは昨秋の三振がゼロだったことだ。チームでは初球から積極的に振っていくことを徹底しており、中山自身は選球眼にも自信を持つ。「全体を通して初球からバットが出ており、それが結果につながった」と本人は振り返る。

一番自分らしさを出せるのは「ショート」

明治神宮大会では不動の「3番・ショート」として優勝に貢献。高橋監督からはポジション取りについて任されることも 【写真は共同】

 1年夏の西愛知大会で背番号14をつけベンチ入り。2回戦の大同大大同戦で一塁手として初めてスタメン出場した。2死二塁の場面で右前適時打を放つなど、3打数1安打1打点と1年生ながら存在感を示したが「周囲の声や応援歌も聞こえないほど緊張しました」と夏の高校野球の独特の雰囲気を体感。野球を始めた時はショートだったが、高校入学後はさまざまなポジションを経験した。

 2年春からは遊撃手としてレギュラーとなったが、中山自身は遊撃手が一番自分らしさを発揮出来るポジションだと思っている。
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著者プロフィール

大阪市在住。『報知高校野球』をはじめ『ホームラン』『ベースボールマガジン』などに寄稿。西日本、北信越を中心に取材活動を続けている。

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