卓球代表、東京五輪メダル獲得の可能性は 団体戦はダブルスが鍵に? 専門誌が分析

月刊『卓球王国』

女子シングルス初のメダル獲得はあるか

現在世界ランキング3位の伊藤。女子シングルスで日本初となるメダル獲得が期待される 【写真:西村尚己/アフロスポーツ】

 混合ダブルスの次にメダリストが誕生するのは男女シングルス。男子は張本、丹羽、女子は伊藤、石川が出場するが、メダルに近づくためには五輪までに世界ランキングを上げることが重要になる。シングルスには各国最大2名が出場可能。その中で中国選手と早いラウンドで対戦せず、準決勝以降で対戦するためには、出場選手中世界ランキング上位4番手までに入り、ベスト4シードを獲得することが望ましい。

 1月現在、日本選手の世界ランキング最上位は男子が張本(5位)、女子は伊藤(3位)だが、両選手より上位にいるのは中国選手のみ。現在の位置をキープできればベスト4シードで五輪に挑む可能性が高い。張本はまだ上位ランカーとポイント差があるが、伊藤は中国選手を上回る可能性もある。ここ数カ月のプレーはさらに凄みを増しており、中国選手と互角に渡り合っている。五輪シングルスでの日本女子のメダル獲得はこれまでゼロだが、史上初のメダル獲得も夢ではない。

 女子では石川が現在世界ランキング9位。石川より上位の8名のうち、伊藤と5名の中国選手を除くと海外選手は8位のフォン・ティエンウェイ(シンガポール)のみ。両者のポイント差は150点と僅差で、石川もベスト4シード獲得は十分に狙える。男子の丹羽は現在世界ランキング15位だが、まずはベスト8シードを獲得できる位置までランクを上げたい。

男子団体の“サウスポーペア”は不利?

団体で銀メダルを獲得した際はシングルスのみの起用だった水谷(左)。同じ左利きの丹羽(中央)との相性はどうか 【写真:YUTAKA/アフロスポーツ】

 卓球競技のラストを飾るのは、8月2日から始まる男女団体戦。男子は2大会連続、女子は3大会連続でのメダル獲得を目指す。五輪の団体戦は1番がダブルス、2〜5番がシングルスで各選手最大で2回出場できる(1選手が2試合連続出場は不可)。エースがシングルス2点起用(2番と4or5番)されるのが一般的だ。

 女子に関しては伊藤をシングルス2点のエース起用、石川と平野がダブルスとシングルス1点ずつの出場になりそうだ。石川と平野のペアは国際大会でも成績を残しており、6日の会見で石川もダブルス強化をテーマに掲げたが、ダブルスがポイントゲッターとして機能することで、男女唯一の3種目フル出場となる伊藤の負担を軽くしたい。

 一方の男子は少々難しさもある。張本はシングルス2点起用が濃厚。その場合、丹羽と水谷をダブルスとシングルス1点ずつで起用することになるが、ともにサウスポー。左利き同士のペアは立ち位置の関係上、フォアサイドにスペースができ、そこを狙われるケースが多くなる。昨年6月の香港オープンに丹羽と水谷のペアで出場したが、予選で格下ペアに敗れた。とはいえ、日本が誇る天才2人。試行錯誤を重ね、倉嶋監督が語った「水谷はダブルスの名手。たとえ左利きとのペアでも五輪で戦える」という期待に応えたいところだ。

2/2ページ

著者プロフィール

日本で唯一の書店売り卓球専門誌。迫力のある写真で見る大会報道ページ、初心者から上級者まで役立つ技術特集、卓球用具を詳細に分析したグッズ特集など、卓球界のあらゆる情報が満載。これ1冊で卓球界のニュースはまるわかり!

編集部ピックアップ

コラムランキング

おすすめ記事(Doスポーツ)

記事一覧

新着公式情報

公式情報一覧

日本オリンピック委員会公式サイト

JOC公式アカウント