ラ・リーガ前半戦で一大センセーション バルベルデがマドリーにもたらしたもの
ラ・リーガ6節のオサスナ戦で初スタメンを飾ると、そのままインテリオールのレギュラーに定着。13、14節にはミドルシュートで連続ゴールを挙げるなど、攻撃面での貢献が小さくない 【写真:ムツ・カワモリ/アフロ】
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あらゆる能力を備えたマルチプレーヤー
かねてからその潜在能力を高く評価していたジネディーヌ・ジダン監督に抜擢(ばってき)されると、4-3-3の左右のインテリオール(インサイドハーフ)としてハイパフォーマンスを披露。2018年の夏にマテオ・コバチッチがチェルシーに移籍して以来、縦への推進力を持ち味とするセントラルMFが不在だったレアル・マドリーで存在感を放ち、ポジティブな風を吹き込んでいる。
ここまでリーガでのスタメン出場は8試合。昨シーズンの6試合をすでに上回っている。主戦場は右のインテリオールで、マドリーの中盤はアンカーにカゼミーロ、その前に左インテリオールのトニ・クロースとバルベルデを並べる形がもっとも一般的だ。
その中でバルベルデに与えられている役割は、攻撃に縦の奥行きを作ること、そして相手の攻撃の流れを寸断することだ。後述する左インテリオールとして起用される場合は若干異なるが、攻守の両局面においてバルベルデの位置取りは常に高い。
両ウイングで誰がプレーするかにかかわらず、1トップのカリム・ベンゼマがポストプレーで落としたボールを中央のレーンで受けるのは、もっぱらバルベルデの役割だ。特筆に値するのはベンゼマの動きに応じて、みずからもポジションを細かく修正できる能力で、バイタルエリアでパスを受けて得意の右足でミドルシュートを放つシーンも少なくない。
こうした高いポジション取りは、もちろん守備の局面でも効力を発揮する。バルベルデがプレスの先導役を担い、相手に圧力をかけ続けるのだ。
基本的に、あらゆる能力を備えたマルチプレーヤーと言っていいだろう。パス、シュート、フリーラン、プレス、インターセプト、マーク、アプローチ。すべてのアクションを迅速な判断とシャープな動きで実践する。インテリジェンスに裏打ちされた的確なポジショニングもセールスポイントで、さらに当たり負けしない体幹の強さ、スタミナ、跳躍力も持ち合わせている。
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