グリーズマンを輝かせる最善の策とは? 戦術アナリストが提示する2つのプラン

アレハンドロ・アロージョ
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ここまで6ゴール・4アシスト。数字的には十分と言えるかもしれないグリーズマンだが、絶対的なエースとして活躍したアトレティコ時代のような存在感は、いまだ放てずにいる 【写真:なかしまだいすけ/アフロ】

 ラ・リーガ開幕からおよそ4カ月が過ぎたが、バルセロナの補強の目玉だったアントワーヌ・グリーズマンは、いまだ新天地で本来の輝きを放てずにいる。チームの大黒柱であるリオネル・メッシに遠慮をしながらプレーしているようで、6ゴール・4アシストという数字ほどのインパクトは残していないのだ。いよいよ現地時間12月18日に迫ったクラシコを前に、スペイン人戦術アナリストが、現在のバルサが抱える問題点をあぶり出しつつ、グリーズマンを最大限に生かすための2つのプランを提示する。

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 2012年の夏にジョセップ・グアルディオラ(現マンチェスター・シティ監督)が監督を退任した後、バルセロナでは2つの潮流が交錯することとなった。

 1つは、フットボール史に残る偉業を成し遂げたペップ・バルサの下地となった、「ヨハン・クライフのフィロソフィー」を継承しようという流れ。もう1つは、インフラ化する一方の移籍市場に飛び込み、一線級のタレントの力を借りてチームを強化しようという流れだ。

 しかし、この2つの潮流の交わりには矛盾があった。クライフ流のバルサのフットボールはチームプレーをベースとしており、そこに強烈な個をブレンドすれば、そのさじ加減次第ではフィロソフィーの根幹を揺るがしかねないからだ。実際、近年のバルサのプレースタイルの変化は、こうしたクラブの強化戦略と決して無関係ではない。

 グアルディオラ時代のバルサで、そうした枠組みを外れて自由にプレーしていたのは、リオネル・メッシただひとりだった。他の選手は例外なくチームプレーを遵守(じゅんしゅ)。その伝統のプレーモデルを基盤とした強固な組織力こそが、ペップ・バルサの躍進につながっていた。
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著者プロフィール

1986年、マドリード生まれ。当初は教員を志して資格も取得したが、フットボールへの情熱を捨て切れず、ジャーナリストに転身。『エコス・デル・バロン』時代はラ・リーガ、CLをメインに担当し、現在はフリーの編集者兼アナリストとして活躍する。テニスにも造詣が深い。

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