長打力No.1は山川と鈴木誠也の一騎打ち プロ野球部門別ランキング・打者総集編

ベースボール・タイムズ

全野球ファンに認知された足のスペシャリスト

プレミア12で一躍名を挙げた周東(写真左)が、走塁部門の1位に輝いた 【写真は共同】

「走塁部門」には、日本球界が誇るスピードスターたちの名前がズラリと並んだが、その中で43.17%(4883票)という圧倒的な票を集めたのが、周東佑京(ソフトバンク)だった。今季開幕直前に支配下登録を勝ち取ると、代走のスペシャリストとして試合終盤の勝負どころで存在感を発揮。スタメン出場は22試合のみで、残り80試合は途中出場という中でもリーグ5位の25盗塁を決めてみせた。盗塁失敗はわずか5回で、成功率は.833を誇った。何より、侍ジャパンの一員として参戦したプレミア12での活躍で脚光を浴び、新たな日本の切り札として全野球ファンに認知された。

 2位には、ルーキーながら盗塁王に輝いた近本光司(阪神)が15.29%(1729票)の支持を得てランクイン。「周東がいなければ……」と言いたいところだが、これは致し方ないだろう。そして3位に選ばれたのは、リーグ2位の33盗塁をマークするとともに、盗塁成功率.917と驚異の数字を残した山田哲人(ヤクルト)。類まれな長打力で「強打者」のイメージが強いが、過去3度のトリプルスリー達成に代表されるように「スピード」も超一流。昨季から続いていた連続盗塁成功記録は38で途切れたが、その足でもファンを沸かせている。

 その他、パ・リーグ盗塁王の金子侑司(西武)、西川遥輝(北海道日本ハム)と実績豊富な選手が続いた中、今季一軍デビューを果たした増田大輝(巨人)が6位にランクイン。また、9位には鈴木誠也が選出。今季は自己最多の25盗塁をマークしており、トリプルスリーの達成にも期待を持てる。

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日本球界が誇る名手たちがズラリ

2年連続でゴールデングラブ賞を獲得した源田。菊池が海を渡った場合、「現役最高の名手」に最も近い存在といえるだろう 【写真は共同】

 最後に「守備部門」を見る。各球団の「名手」と呼ばれる面々がそろったが、1位は全体の32.81%(3471票)の支持を受けた菊池涼介(広島)だった。素早い打球反応からの広い守備範囲、そして躍動的な身のこなし。今オフ、ポスティングシステムでのメジャー移籍を目指しているが、日本球界随一とファンも認める守備力が、新たな舞台でどのような形で発揮されるのか注目だ。

 そして2位には源田壮亮(西武)がランクイン。全体の20.85%(2206票)を集め、その支持率は菊池を除けばダントツ。ゴールデングラブ賞も2年連続で受賞し、来季以降も「名手」としてチームに貢献してくれるはずだ。3位には源田と同じプロ3年目の京田陽太(中日)が選ばれ、4位には今宮健太(ソフトバンク)と遊撃手が続いたが、5位には捕手の梅野隆太郎(阪神)が入った。打撃での貢献度も高いが、守備面での評価も年々アップしている。

 その他、今季健在ぶりを見せつけて優勝に貢献した亀井善行(巨人)、一塁手としてのNPB新記録となる1632守備機会連続無失策を続けたロペス(DeNA)、ルーキーながら124試合に出場した辰己涼介(東北楽天)などがトップ10入り。ちなみに、鈴木誠也は惜しくも13位(1.12%、119票)で、今回企画した「4部門」の「全てのカテゴリーでトップ10入り」はならなかった。来季は、この鈴木への評価がどうなるか。そして菊池が海を渡った場合、その後継者と言える「球界最高の守備職人」は誰になるのか注目したい。

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著者プロフィール

プロ野球の”いま”を伝える野球専門誌。年4回『季刊ベースボール・タイムズ』を発行し、現在は『vol.41 2019冬号』が絶賛発売中。毎年2月に増刊号として発行される選手名鑑『プロ野球プレイヤーズファイル』も好評。今年もさらにスケールアップした内容で発行を予定している。

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