C・ロナウドとJ・フェリックス ポルトガルの新旧スターを徹底比較

ロベルト・ロッシ、下村正幸
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ロナウドがキャリアの晩年を迎えたタイミングで、ポルトガルサッカー界に彗星のごとく現れたフェリックス(写真)。紛れもなく特別なタレントであり、ロナウドの正統な後継者だ 【写真:ロイター/アフロ】

 ユベントスで2年目のシーズンを戦うクリスティアーノ・ロナウドと、今季アトレティコ・マドリーにラ・リーガ史上最高額の移籍金で加入したジョアン・フェリックス。14歳離れたふたりのアタッカーは、ポルトガル代表の現在と未来を担う「ナンバー1とその後継者」という立場にある。ロナウドは言うまでもなく、フェリックスも十数年に1人という逸材中の逸材。ポルトガルサッカーが生んだ新旧スターを、プレースタイルはもちろん、生い立ちや性格までさまざまな角度から比較する。

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性格はロナウドとは対照的にシャイで控えめ

ともに早熟の天才である2人だが、生まれ育った環境は大きく異なる 【写真:ロイター/アフロ】

 クリスティアーノ・ロナウドとジョアン・フェリックスはともに早熟の天才だ。ロナウドは17歳の時に、フェリックスが18歳の時に、いずれも首都リスボンに本拠地を置くポルトガルきっての名門(前者がスポルティング、後者がベンフィカ)でプロデビュー。どちらもその翌年に、それぞれマンチェスター・ユナイテッド、アトレティコ・マドリーへとステップアップ移籍を果たした。両選手ともA代表デビューも早く、ロナウドが18歳、フェリックスが19歳。ロナウドはU-15を皮切りに、フェリックスはU-18を皮切りに各年代の代表に名を連ねたが、早々にA代表に引き上げられた。

 大きく異なるのが生まれ育った環境だ。ロナウドはリスボンから約1000キロメートル離れた大西洋上に浮かぶ島、マデイラの出身。5人兄弟の末っ子で、父親はアルコール依存症に苦しみ、家庭は貧しかった。

 子供ながらに、苦境から抜け出す唯一最善の道が一流のフットボーラ―になることだと自覚していたロナウドは、早くからフットボールに打ち込み、11歳の時に名門スポルティングにスカウトされて入団。家族と離れ離れになり、「ほとんど毎日泣いていた」と当時を振り返るようにホームシックにかかったが、孤独に耐えながら一心不乱にボールを蹴り続けた。ロナウドといえば、自分がナンバー1だと公言する自信家にして完璧主義者であるが、そうした性格も自らの力で道を切り拓くしかなかったルーツが背景にある。

 一方のフェリックスはポルトガル北中部のヴィゼウ出身で、比較的裕福な家庭に育った。
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